第八話
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か?」
不意に女性の声が聞こえたかと思うと、住人達は俊司達の前に道を作り上げる。その先には四人の人物が立っていた。
中央にいた紫の髪をしたショートヘアーの女性は、静かに俊司に近寄ると何かを見定めるように彼を見つめる。しばらく無言のままで見ていたが、急に笑みをこぼして軽く笑った。
「久方ぶりだな俊司。亡霊になったと聞いていたが、生前とあまり変わりがなさそうで何よりだ」
「ご無沙汰しております神奈子様。いろいろとご迷惑をかけました」
そう言った彼に女性は別にかまわないと返してくれた。
彼女が守矢神社の神のひとりである『八坂 神奈子』だ。彼女の後ろにあるしめ縄が神らしい神々しさを醸し出している。
「いやー君も大概奇妙な人生をたどってるね。私も初めて聞いた時は驚いたよ」
なぜか目玉が二つ付いた帽子をかぶった金髪の少女が笑いながらそう言った。彼女がもう一人の守矢神社の神『洩矢 諏訪子』だ。容姿はまるで小学生だが、実際は何百年も生きている神様である。
二人も周囲の人達のように驚いた様子は見せない。別に隠すようなことではないが、少し腹をくくっていたこともあって複雑な心境になっていた。
「……どうして俺が亡霊になったことをしってるんですか?」
「それは私が説明するわね?」
そう言って前に出てきたのは茶髪のツインテールの女の子だった。彼女は文と同じ烏天狗の妖怪『姫海棠 はたて』。文とはライバル関係にあたり、同じ新聞記者として天狗組織で仕事をしている。
はたてはポケットから携帯のような物を取り出すと、ある画像を俊司に見せた。そこに写っていたのは、こっちをみてほほ笑む俊司自身の姿だった。
「これって……永遠亭?」
背景に写っているのは迷いの竹林の風景だった。それに俊司の背後には妖夢の姿も写っており、見切れていたものの鈴仙の姿も見える。
「私の能力知ってるわよね?」
「はい。ということは……俺が亡霊になって永遠亭を訪れた時のもの。撮影したのは……文ですね」
はたてはご名答と言って笑みを返した。
彼女は『念写をする程度の能力』を持っており、持っている携帯型カメラを使って誰かが撮った写真を見つける事が出来る。なので永遠亭で文が撮った写真がそのまま彼女のカメラに現れるのだ。簡潔に言えばインターネットの画像検索のようなものだろうか。
話によれば記事を書こうとしてたまたま俊司の写真がないか検索を賭けたところ、つい最近の撮影で彼の写真を見つけてしまったらしい。即座に文へ確認を取ってみると、彼は亡霊になって帰ってきたと言われたのだ。もちろん記者である彼女はそのことを守矢神社で話し、それで彼が亡霊として生きていることがここの人達に回ったのだ。
「初めて聞いた時にはびっくりしましたよ。まさか映姫様の命令で亡霊になれるなんて……そうある
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