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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百十八話 諮問委員会
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「まあ、そうだな」
新たな官庁が出来ればそれだけ金がかかる。財政委員長としては面白くないところだろう。しかしな、レベロ、問題は金をかけただけのリターンが有るかどうかだ。百五十年続いた戦争が終わるのなら、平和を維持できるのなら安いものだ。
「必要性は認める。しかしこれから創ると言っても時間がかかるだろう。和平問題は急ぐ必要がある。一時的に何処かの委員会に委託せざるを得ないと思うが?」
レベロが首を横に振った。
『事務方は何処も引き受けたがらない。皆自分のところの問題で手一杯なんだ。和平が結ばれれば国内開発に予算が充てられる。地域社会開発委員会、天然資源委員会、経済開発委員会は当然だが他の委員会も自分のところの予算取りで必死だよ』
「和平問題は同盟の安全保障に関わる問題だ、国防委員会に委託しては如何だ、嫌とは言えんだろう」
『無理だな、新任の委員長は自分のところの予算を守るのと軍の再編問題で手一杯だ。ネグロポンティと国防委員会にそんな余裕は無い』
「……」
沈黙する私にレベロがニヤッと笑った。
『国防費は大幅ダウンだぞ、シトレ。戦争が無くなれば武器弾薬の消費は減る、艦船の修理費も減るし損失艦の補充も減るから新造艦の建艦計画も見直しだ。手当も減るから人件費も削減出来るし、ああそれから負傷者が居ないから医薬品も減るな』
「おいおい」
止めようとしたが止まらない。
『アルテミスの首飾りが無くなったのも大きい。あれの維持費がゼロだからな。年に二回のメンテナンスと運用訓練、馬鹿にならん。一回も役に立たなかったな、建設費を入れればどれだけ無駄になったか……』
「ヴァレンシュタインが言っていたよ。あれが無ければ主戦派は暴発しなかった可能性もある。ハイネセン防衛には役立たなかったが全くの無駄と考える事も無いだろうと」
『気休めにもならんな』
レベロがフンと鼻を鳴らした。
『そんなわけでな、各委員会には和平問題を扱う余裕は無い。今は五月迄の暫定予算を議会に提出しているがこいつは問題無く承認されるだろう。問題はその後だ、五月迄には本予算を編成するが何処も皆予算獲得のために血眼になるぞ。まあ財政委員会ではある程度の試案は出来ている。それと突き合わせて予算の編成になるが戦争みたいな騒ぎになるだろう。場合によってはもう一カ月暫定予算を組む事になるかもしれない』
戦争か、確かにそうだな。どこの委員会も予算は欲しい。これまでは戦争の所為で軍が優先されていた。それが無くなるとなればこれまで抑えられていた分だけ予算を要求するだろう。軍にとっては冬の到来だが已むを得ない事ではある。戦死者が出ないだけましと思うしかない。
「それで和平問題はどうする? 何処も引き受けないとなるとトリューニヒト議長に預けるのが良いような気もするが」
『そ
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