第三話
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が借りている体育館に行きました。けれどその時は話しかけられる空気ではなく、入口から覗き込むだけで終わりました(しかも日神楽君に見つかりました)。
けれど━━━━。
「なにか……キッカケでもあればなぁ……」
なんとなく……なんとなくですが話せなかったのが残念な気持ちはあります。
友達が「日神楽君はなんとなくカッコいいんだよ」なんて曖昧なことを言っていましたが、今ならその気持ちが少しだけ分かります。シュートに集中する日神楽君は確かに格好良かったです。その代わり水無月さんへの恐怖度も上がりましたが……。あんな大きな男の人に自分からぶつかっていくなんて、私にはまずできません。
「だったら、やっぱりバスケをやってみたらどうだ? 同じことをしていれば話には事欠かないだろう」
お父さんがさっきと同じ提案をしてきましたが、今度は少し深く考えてみましょう。
そういえば、以前廊下で日神楽君も水無月さんに同じことを言っていました。
『だからな……お前にダチが出来ないのはバスケの話しかしないからだって。なんか無いのか? ファッションの話とか』
『そう言われてもなぁ……私からすればあの子らの会話は異次元の会話にしか聞こえん。なぁ、皐月、“こすめ“ってなんだ?』
『いや……俺に聞かれても……。ファッション誌とか借りてみたらどうだ?』
『いや、でも……デ○ッド・ロ○ンソンとか載ってないだろ?』
『お前は何時の時代の人間だぁ!? って、ゆうかファッション誌にそんな人らが載ってるか!!』
『じゃあ読まないよ』
『ぬがぁ!!』
何故でしょう……。バスケに詳しくなっても水無月さんとばかり話が弾みそうな気がするのは?
いや! 何事も先ずはキッカケです!! もしかしたら水無月さんから日神楽君とも話すキッカケになるかもしれません!
「それじゃあ━━━━」
もしも……もしも何十年経ってもこの時の事を思い出せるなら━━━━。
「……あれ……?」
日曜日に私がお父さんに連れて来られたのは何故かいつもお父さん達が使っている体育館とは別の体育館。
「よく来たな新入り!」
「新入り!」
「私の名前は日暮 琴那!」
「琴覇!」
仁王立ちで私を出迎えてくれたのはまったく同じ背丈と顔をした女子ミニバスケットクラブの“自称エース“のお二人。
「来年の全国大会に向けてビシバシ鍛えてやるからな!」
「やるかりゃっ……!? はんだ(噛んだ)……」
「そもそもなぜ私はここに居るのでしょう?」
━━━━きっ
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