暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第44話 モヤモヤは仕事にぶつけ……られない?
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居ると余計な事を考えてしまうので、如何にか仕事(没頭出来る物)を探そう頑張りました。そこで私は、樹木が豊富にあるのを利用し製紙産業に手を出す事にしました。私が持っている知識が、体験旅行で経験したのは和紙作りのみだったので、生産量の都合から手を出す心算は無かったのですが、半ば道楽でやるのでこの際関係ありません。

 しかし何が幸いするか分からない物で、和紙を作るのに向く樹木を探し始めた所、何故? と言うか幸運? と言うべきか、漆の木を発見したのです。私は喜々として、紙だけでなく漆器(しっき)の開発に手を出しました。

 私は別荘建造時に招いた家具職人から、彫刻の上手いギーと言う職人をスカウトして漆器の試作品を作り始めました。同時に漆器工房を建て、その近くに漆の木を植えました。色を変える方法は、鉄粉を入れる黒色と弁柄(赤色酸化鉄)を入れた赤色しか知らなかったので、とりあえず漆黒と朱色の器を作ってみました。

「なんか、仕上がりは綺麗なんですが、色が味気ない様な……」

(ギー!! 貴様!! この漆の良さが分からないのか!!)

 腹が立ったので、蒔絵(まきえ)沈金(ちんきん)螺鈿(らでん)拭き漆(ふきうるし)彫漆(ちょうしつ)堆朱(ついしゅ)蒟醤(きんま)等、知りうる限りの技法について語って聞かせました。……実際に出来るかどうか別だけど。

 しかしギーは、話が金箔や銀箔の段になると「金や銀を使うなんて悪趣味」等とほざいたのです。

 意地になった私は、エキュー金貨を1枚取り出し《錬金》で金貨から金と不純物を分離し純金を作り出します。(金貨を潰すのは不味いですが、ばれなければOKです♪)そして、出来た金を羊毛紙ではさんで、ハンマーでひたすら叩いて金箔をでっち上げました。上手く箔状にならなかった物を粉にします。

 これで材料がそろったので、蒔絵と沈金に挑戦しました。私が蒔絵に挑戦し、沈金はギーにやらせます。

 2枚の木の板に漆黒の漆を塗り、それぞれ蒔絵と沈金でトリステイン王家の証である百合の花をあしらった物を作りました。双方とも黒と金のコントラストが素晴らしいですが、私が担当した蒔絵の方はお世辞にも美しいとは言えずダメダメです。一方でギーが担当した沈金の方は、実に見事な出来栄えでした。と言っても、日本の職人と比べちゃいけませんが。

 ……根本的な実力差って悲しいです。私が教える側だったのに。

 そして完成品を前にして、ギーに「ごめんなさい」言わせてやりました。これで漆器の方は、ギーに任せておけば良いです。

 一方で和紙の方ですが、紙漉(かみす)きの工程で上手く行かず止まってしまいました。紙に如何しても皺や厚みにムラが出来てしまうのです。これは私の熟練度と腕が低いからか? それと
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