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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第43話 ハルケギニアよ!!私は帰って来た!!
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9人とまばらで、うち5人が商人と思われる格好をしておった。
(さて、店主に話を聞くのが一番確実じゃが……。ん?)
カウンター席へ数歩進んだ所で、奥のテーブル席に見知った顔があるのに気付いたのじゃ。吾はそこで迷わず進路を変え、奥のテーブルの金髪青年の対面に移動する。ちなみに、勝手に席に座ろうとする巨漢のオッサン(精霊)の襟首を掴み引きずったので、物凄く目立っているのじゃ。
「相席よろしいかの?」
吾がそう聞くと、金髪青年は「良いですよ」と答えながら、さっと手を上げ何か合図の様な物をする。すると吾の動きに合わせて背後に回っていた二つの気配が、元の席に戻っていくのを感じたのじゃ。吾はその片割れのテーブルにオッサン(精霊)を座らせると、ウェイトレスに1スゥ銀貨を渡し店のお勧めを適当に持ってくるように頼んで、ようやく金髪青年の対面に座ったのじゃ。
「すまぬの。ファビオ」
「で、何が聞きたいのですか?
韻竜
(
・・
)
さん」
不意打ちとはこの事じゃな。これとはカトレアと居る時に、別荘の廊下で一度すれ違っただけのはずじゃが……。
「良く吾の事を知っておったな。その秘密を知るのは、ドリュアス家でもごく一部のはずじゃが……」
「ソース(情報源)は秘密です」
ファビオが意地悪な表情で、人差し指を口に当て秘密のポーズをする。(こんな時に主のマネをされてもな)しかしそのポーズはすぐに崩れ、ファビオの表情が苦笑へと変わったのじゃ。
「……と言いたいところですが、後でギルバート様
達
(
・
)
にソースは報告しておきます。まあ『迂闊な御兄弟がいると大変ですね』と、言う事で……」
この様子では、吾が主とカトレアに対して二重契約している事も知られとるな。ディーネかアナスタシアか分からぬが、主のお仕置きフルコース決定じゃな。御愁傷さまじゃ。!! 待て、そのような話題をこの様な場所で……。
「聞き耳防止用のマジックアイテムを作動済みです。更に言えば、あなたの正体も漏れないように細工済みです」
吾の表情を読み取って、先回りして答えられてしまったのじゃ。こいつ本当に優秀じゃな。この若さでとても信じられぬのじゃ。
「で、私に何を聞きたいのですか?」
見事な先制パンチをもらってしまったのじゃ。本当にこの男が敵でなくて良かったのじゃ。
「王都の様子がおかしいのは何故じゃ?」
ファビオは一瞬眉を顰めたが、すぐに元の表情に戻ると口を開いた。
「塩の事はご存知ですか?」
「ああ。『塩爆弾大作戦』じゃろう」
「いえ。今は『オペレーション・ソルトボム』と言ってあげてください。アズロック様の“不名誉”を、これ以上喧伝する事も無いでしょう。マギ商会の新人の発案ですが……」
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