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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第43話 ハルケギニアよ!!私は帰って来た!!
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とりあえず厄介事は回避するに限るのじゃ」

 吾は面倒事を回避できた安心感から、油断しておった。顔を洗う為の水を取りに来た井戸の前で、人の気配に気付けなかったのじゃ。

「スリープ・クラウド《眠りの雲》」

 背後からスリープ・クラウド《眠りの雲》をまともに食らってしまったのじゃ。何とか抵抗(レジスト)しようと試みるも、緊張を解き緩み切っていた吾は眠りへと落ちてしまった。



 目が覚めると、そこは檻の中で周りは荷が積まれた広い倉庫じゃった。檻の中には少女が7人ほど囚われておった。服装から察するに、スラムからさらわれて来た者達じゃろう。すぐ近くには数人ほど少年が入れられた檻もある。

「目が覚めたのね」

 同じ檻に入れられた少女の一人が、話しかけてくる。

「私はブリジット。身なりは良いみたいだけど……。あなた貴族なの? お忍びとか?」

 吾の服を見てそう言ってくる。吾の服は元々カトレアの服じゃからな……。

 ブリジットの年はファビオより少し下の15から16くらいか? 金髪青目で薄汚れた格好をしておるが、体はやや細目じゃが目鼻立ちは整っておる方じゃ。

「吾は貴族ではないぞ」

「嘘言わないで。こっちはスラムで何年も暮らしているの。平民はそんな仕立ての良い服は着れないし、まだ新しいから古着でもないでしょう。商人等の裕福な平民なら、もっとそれっぽい服を着るでしょう」

(洞察力はあるな。スラムと言う環境故か? しかし……)

 ブリジットの目には、どこか必死さがうかがえた。まるで吾が貴族でなければならぬような雰囲気じゃ。じゃが嘘を吐く意味は無いな。

「嘘は言っておらぬ」

「誤魔化さないで。黒髪の貴族なら、ドリュアス家の人間でしょう? なら、あの《岩雨》と《乱風》が、助けに来てくれるのでしょう?」

 ブリジットから懇願の様な物が伝わってきたのじゃ。(……そういう事か)得心が行き流石に哀れに思えて来たのじゃ。

「吾は貴族ではない……」

 吾がそう言うと、ブリジットの顔が絶望に染まる。

「じゃが、ドリュアス家の縁者と言うのは正解じゃ。助けは来るし、来なければ吾が何とかしよう」

 吾は迷いなくそう言い切った。……言ってから不味い事に気付いたのじゃ。これで吾の正体を晒せば、ドリュアス家の縁者に韻竜が居るとばれてしまうのじゃ。吾は内心で「しまった」と思ったが、この娘は吾をドリュアス家の縁者と思い込んでおった。いや、正確には思い込もうとしていた……か。ここで吾が否定しても、助かればブリジットはドリュアス家の名前を出すかもしれぬ。なら認めた上で、口止めした方が確実じゃろう。

 まあ、どの道言ってしまった物は仕方が無いのじゃ。たとえ相手にスクウェアメイジが居ても、精霊
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