暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
ここは海鳴、始まりの街 〜親バカは永遠に〜
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そっと取り出した。

「ヘアゴムとリボン・・・」

「ルシルパパのヘアゴムがダメになったでしょ。帰れば代わりのゴムとかあるけど、でもこれくらいしか思いつかなくって。ルシルパパに一番似合う黒色に、象徴する十字架がデザインされたヘアゴムとリボン。どうかな?」

ルシル君はリエイスさんに付けてもらったヘアピンとバレッタを外す。フェイトちゃんが受け取って、ルシル君は黒の生地に白い十字架が幾つも刺繍されたリボンで後ろ髪を縛った。銀髪に良く栄える黒のリボン。ヴィヴィオが選んだ逸品だよ、ルシル君。

「ありがとうヴィヴィオ。大切に使わせてもらうよ」

「うん。・・・・わたしのパパでいてくれてありがとうルシルパパ!」

ヴィヴィオがルシル君に勢い良く飛び付いて抱きついた。そしてルシル君の反応は・・・ヴィヴィオをギュって抱きしめ返した。俯いているから顔は見えないけど、私たちは顔を見合わせて頷いた。いつでもルシル君に飛びかかれるようにスタンバイレディ。ルシル君がバッと顔を上げて、それはもう緩みきった顔を見せた。来るか!?

「はぁ、みなさん・・・すぅぅ・・ウチの娘が可愛す――」

「「「「「「「ストォォォーーーーーーップッッ!!!!」」」」」」」

親バカによる親子愛を叫ぼうとしたルシル君を全力で阻止した。なんとかルシル君を落ち着かせて、私たちは予定通りに温泉に入って夕食を済ませた。
あとでザフィーラに聞いたんだけど、ルシル君が私たち女性組と別れてすぐにクロノ君とか知り合いの男性に、ヴィヴィオがどれだけ可愛い娘か自慢しまくってたらしい。あー、ルシル君、もう引き返せない場所まで行っちゃったんだね・・・。
そして帰り路の車内。ルシル君を真ん中に、ヴィヴィオが左、フェイトちゃんが右と言うように座ってる。

「なぁ、フェイト、なのは」

「「ん?」」

「どこの世界、いつの時代、やっぱり家族というのは素晴らしいな」

自分の胸にもたれかかって眠ってるヴィヴィオの頭を撫でながら、ルシル君がとても綺麗な微笑みを浮かべた。私とフェイトちゃんは考えるまでもなく「そうだね」って首肯した。うん、家族を持つのはすごく素晴らしい事で、とても幸せな事だ。

「ありがとう」

ルシル君はそう一言。私たちは声には出さず、頷くことで応えた。すずかちゃんの運転する車は、みんなで一緒に泊まる事になってるすずかちゃんの家を目指して走る。

(久しぶりに帰ってきた海鳴での休暇は、大成功だったかな)

色んな事が多くあり過ぎて驚くこともあったけど(特にルシル君の崩壊)、それでもいい休暇だったって事はハッキリと言える。助手席の窓から外を眺める。またこんな楽しい休暇を過ごせる日が来ますように、と。誰にも気付かれることなく、私は指を組んで、そんな願うまで
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