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妖精の義兄妹の絆
ギルドへの依頼
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頼み込んだ。
「うーむ…。」
「マスター…。」
「ん?」
「私からもお願いします。」
「!…。」
(「ウェンディ…。」)
ウェンディも頭を下げ、ローバウルに頼んだ。
「…わかった。わかったから顔をあげなさい。」
タクヤとウェンディはゆっくり頭を上げた。
「君たちの親に会いたいという強い気持ちが伝わってきた。早速リクエストボードへ貼っておこう。」
「ありがとうございます!!」
タクヤはここに来て初めて笑顔を見せた。
「よかったね!タクヤ!」
「あぁ、あとマスターもうひとつお願いがあるんですけど…。」
「なんじゃね?」






「俺をここのギルドへ入れてください。」
「本当!?たくや!」
ウェンディは満面の笑みを浮かべてタクヤをみた。
「あぁ、いいとも。わしらは大歓迎じゃ。」
「ありがとうございます! 」
「そうとなれば今日はタクヤの歓迎パーティーじゃー!!」
「「おぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」
ギルドが揺れた気がするほど大声で叫んでいた。
「やったぁぁぁ!」
ウェンディも両手をあげて喜んでいる。
それからはあっちやこっちでどんちゃん騒ぎ。
酒や食べ物がギルドの厨房からわんさかでてきた。
みんなわいわいやって楽しんでる。
タクヤはおばちゃん連中に絡まれたりしたりと楽しい時間が続いた。






その日の夜
タクヤは外の空気を吸いにギルドの裏にある丘へと向かった。
「はぁ~、あんなに絡んでくるとは。恐るべし、おばちゃん。
でも、みんないい人だよなー。ここのギルドに入ってよかった。」
雲ひとつない空には綺麗な三日月が出ていた。あまりにも綺麗だったのでつい見とれてしまった。
すると、突然目の前にあった三日月が消えた。
「だーれだ?」
「…ウェンディだろ。」
「ピンポーン。」
そう言って手をどかすと案の定ウェンディが後ろにいた。
「こんなとこで何してるの?」
「ちょっと外の空気を吸いにな。ウェンディは?」
「んー、私も一緒。今日は空気がおいしいねー。」
「あぁ、そうだな。」
空気の味がわからないタクヤでもそんな気がするぐらい空気が澄んでいた。
「なぁ、ウェンディ…。」
「なに?」
「さっきの、帰り道のことなんだけど…。本当に俺なんかでいいのか?」
すると、ウェンディは顔を近づけて怒った風に言った。
「なにいってんの!タクヤだからこんなこと言うんだよ。今日タクヤがギルドに入ってくれて本当に嬉しかった。
いつか私の前からいなくなっちゃうんじゃないかって…、不安だったの。」
「ウェンディ…。」
「だから、これからも私のお兄ちゃんとしてずっと一緒にいて!」
ウェンディのかおは月明かりに照らされているためか、瞳が潤んでいるように見えた。
それでも、
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