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妖精の義兄妹の絆
ギルドへの依頼
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ンディはタクヤをみて涙をポロポロこぼした。
「もう大丈夫だ。俺にしっかり捕まってろよ!」
「うん…!」
タクヤはウェンディを背中へ移動させると口を膨らまし地面へむけて放った。
「水竜の…咆哮!!!」
その瞬間、タクヤの口から大量の激しい水がいきよい良く噴射された。


ザァァァァァ!!!!


タクヤは水の噴射を利用して崖の上へ上ろうと考えていたのだ。
その作戦は見事に成功し、地上へ上がってこれた。


ダンッ!!


タクヤは上手く着地し、ウェンディを背中からおろした。
「大丈夫か?どこか怪我してない…?」
タクヤが言い終わる前に、タクヤを強く抱き締めた。
「ひぐっ、こわかったよぉぉぉ。…うえぇぇぇぇぇん…!」
ウェンディはタクヤの胸の中で泣きじゃくった。
タクヤはウェンディの頭を撫でながら、
「怖かったな。もう大丈夫だからな。俺がついてる。」
「うぇぇぇぇぇぇぇぇん!!」
そう言って慰めるとウェンディはさらに泣きじゃくった。








森の帰り道
タクヤはウェンディをおんぶしながら歩いていた。
ローバウルに頼まれた薬草はウェンディのバックの中にしまっている。
先ほど、ウェンディに怪我がないか確認したところ、右足の膝を切っていた。
おそらく、崖から落ちた際に岩の切れ目で切ったのだと思われる。
その足じゃ歩けないだろうとタクヤがウェンディをおんぶして帰ることとなったのだ。
帰り道はお互い沈黙を守っていたが、先に破ったのはウェンディだった。
「タクヤ…。」
「ん?どうした?」
「さっきは、ありがとう。」
「あぁ…、気にすんなよ。当たり前のことをしただけだし…。
それにしてもなんで一人で森の中に入ったりしたんだ?すげー心配したんだぞ。」
「ごめんなさい…。私…タクヤに食べ物を見つけてこようと思って、でも、落としちゃったし…。」
「だから、一人で森の中に…。」
「タクヤ、私のために一日中起きてくれてたし…。だから、私…。グズッ…。」
今にも泣き出しそうなウェンディをみてタクヤは微笑んだ。
「怒るつもりだったけど…、そんな理由なら怒れないな。ありがとな、ウェンディ。
その気持ちだけ受け取っとくよ。」
「うん。…なんかこうしてるとタクヤが私のお兄ちゃんみたい。」
「俺も、昨日ウェンディの寝顔見ながら同じこと考えたよ。」
「ほんと?」
「あぁ、ほんとほんと。」
「じゃあ、タクヤが私の本当のお兄ちゃんになってよ。」
「はっ?」
まさかこんな返答を言われるとは思わなかった。
「…だめ?このまま一緒にいよーよ。マスターやギルドのみんなだって喜ぶよ。」

一緒に…

タクヤは少し考えた。
(「俺の目的はマリーネをみつけること…。それは変わらな
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