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妖精の義兄妹の絆
ギルドへの依頼
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。」)
タクヤは諦めて火を絶やさないように一日中起きていることにした。
「いいの?私だけ寝ちゃっても…。」
「あぁ、気にすんなって。一枚しかないんなら仕方ないからさ。
それに火が消えたら寒いだろ?俺が火を絶やさないようにしてるからウェンディは早く寝ちまいな。」
そう言いながら定期的に薪を火の中に投げ入れていた。
「…わかった。」
ウェンディはそう言い残し、布団のなかへ入った。





真夜中
今が何時なのかもわからなくなってきた。相変わらず雨は降っていたが少し弱まったようだ。
あたりも雨音以外なにも聞こえない。ウェンディも規則正しい寝息をたてている。
どうやら熟睡できているようだ。
「こうやってみると、まるで妹みたいだな。」
そう言ってタクヤはウェンディの頭をつい撫でてしまった。
「ん…、」
(「やべっ、起こしちゃったか!?」)
タクヤは慌てたがすぐに規則正しい寝息が聞こえてきた。
「ふぅ、あぶねー。」
「んー…、ジェラールゥ…。」
「…やっぱり、寂しいんだな。」
「…タクヤァ…。」
「ふ、俺も呼んでくれるのか。」
タクヤはウェンディの頭をまた撫でた。
「…。」
タクヤは薪を加えながら考え事をしていた。
(「俺は一体、いつまでここにいられるんだろう…。」)
タクヤの体調はもう心配するような悪いところはどこにもない。
むしろ、化猫の宿に来てから調子がよくなった方だ。マスターは優しく接してくれてる。
ギルドのみんなだってタクヤのことを我が子のように扱ってくれてる。
何より、ウェンディの献身的な看病のおかげでここまで回復できたのだ。
感謝しても足りないくらいの恩をうけた。
だから尚更、このままここにいてもいいのだろうかと思う。ギルドの人たちに甘えっぱなしでいいのだろうか?
自分には母親である水竜マリーネを探すという目的もある。しかし、探すにも手がかりはひとつもない。
第一、ドラゴンは滅多に目撃されない。実在するかどうかもわからないあやふやな存在なのだ。
だが、それでも探しださなくちゃいけない。会ってどうしていなくなったのか聞きたい。
他にも聞きたいことが山のようにあるんだ。


………俺たちは捨てられたんだ………



「…そんなこと…あるわけない…。」
タクヤはそう言って焚き火に薪を加えた。





『俺たちは捨てられたんだ…。絶対に許さない。






殺してやる…!』





「っ!」
タクヤはその場から起き上がった。顔には大量の汗をかいていた。
「なんであんな夢…。」
タクヤは顔の汗を腕で拭ったとき、自分に掛けられていた布団の存在に気づいた。
(「あれ?たしか、これはウェンディが使ってたはずだけど…。」)

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