転入の理由
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からこの一週間の内に、草薙護堂は女たらしだというのは学校全体の共通認識となっていた。
新入学生でありながら文句なしの学園二大美人に選ばれたエリカと祐里を隣に侍らせているのだから、当然であるが。
しかも、よくある『一人の女性と付き合いながら、影で他の女性と付き合う』訳ではなく、『二人の女性と同時に付き合っていて、その二人も納得している』のだと周囲には認識されていた。
そりゃ、昼休みになるたびに、違うクラスのハズの祐里が毎回手作りのお弁当を持ってやってきて、護堂とエリカと一緒に三人で屋上へ行き、仲睦まじく食事をしているのを見れば誰だってそう思う。
おまけに、放課後は放課後で、三人で引っ付きながら下校しているのだ。たまに、お互いの家に寄ることもあるようだし。
「なんだそれ!?俺はそんな外道じゃないぞ!?」
「護堂・・・。」
「護堂さん・・・。」
「護堂君・・・それはないわ〜。」
「なんでだよ!?」
必死の弁明も、何の意味も持たない。屋上に、虚しく響いただけであった。
「・・・・・・で、何しに来たんだ・・・。」
先ほどよりも更に疲れた顔をした護堂が問いかける。鈴蘭は、実に美味しそうなプリプリのエビフライを囓りながらそれに応えた。
「全部ドニとヴォバン侯爵が悪い。」
「はあ?」
『あぁ・・・。』
裏の世界に入りたてである護堂には意味不明だったが、エリカと祐里の二人には痛いほど理解出来た。つまり、最近の不穏な動きが、ここに繋がっていたのだろう。
「二人共、護堂君の話を聞いて、もう限界みたい。ドニは、自分が倒せなかったクトゥグアを倒した君に興味津々だし、ヴォバン侯爵も、一週間にも満たない短すぎる時間で、三体の神を倒した君と戦いたがってる。」
「最悪・・・ね。あの二人なら、【伊織魔殺商会】との敵対なんてなんとも思わない・・・というか、むしろ嬉々として敵対しそうだし。」
ドニは兎も角、ヴォバン侯爵はどちらかというと狩人である。そのため、勝ち目がゼロ%の勝てない戦いはしないだろうが、逆に言えば、一%でも勝目があれば、好敵手を求めている彼は襲ってくるだろう。
カンピオーネとは、『どんな絶望的な状況でも、勝ち方を見つけてしまう』生物である。そのことを、彼はよく知っているのだから。数が不利だからと言って、絶対に勝てない訳ではないのだ。
「そろそろ日本に着く頃だろうね。私としても、普通に決闘とかで満足してくれるなら放っておいてもよかったんだけど・・・。」
と、鈴蘭は護堂を見る。
「護堂君・・・決闘とか申し込まれて、受ける?」
「受けるわけがないだろう!」
決闘は、法律違反である。自身を、『真
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