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我が剣は愛する者の為に
とある村での出会い。
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策に続いて今度は劉備だ。
大英雄に次々と面識ができる俺は数奇な運命を辿っているな。
もちろん、相手は女性だが。

「どうかしたましたか?」

俺が驚いているのを見て劉備が心配そうな視線でこちらを見てくる。

「あ、ああ。
 俺は関忠、字は統だ。
 よろしく。」

俺は手を出すと劉備も俺の手を握り返してきた。
あの劉備と握手している。
女の子だけど。
その手は柔らかく、すべすべだった。

「縁。」

と、師匠が俺を呼んでいた。
劉備の手を離して、師匠の元に向かう。

「どうやら、この近くに賊の住処があるようだ。
 おそらく、明日にでも賊が襲いに来るだろう。
 私は村の案内のもと、その賊の集団を壊滅させるつもりだ。」

「俺はどうすれば良いでしょう?」

「この村に残っていてくれ。
 奇襲はないと思うが、もしもの場合は村の人と協力してくれ。
 その旨も伝えてある。」

見ると鍬など、武器になりそうな物を村人の男達が持っている。

「今すぐに殲滅しに行くつもりだ。
 明日の朝には戻ってくる。」

それだけ言って、複数の村人を連れて師匠は賊の住処へ向かった。
師匠だけならそれほど手こずる事もないはず。
毎晩修行しているのだから分かる。
やることもないので、木刀で素振りをしていると劉備が話しかけてきた。

「関忠さん。」

「どうした?」

「私に剣術を教えてくれませんか!」

突然、こんな事を言い出してきた。
訳を聞くと。

「さっき襲われた時に思ったんです。
 少しでも剣を振るう事ができたら、あの子達を守る事が出来る筈だって!」

「ふむ・・・」

軽く劉備の身体つきを調べる。
といっても、視線でだぞ。
身体を直接触っていないぞ!

(どう見ても武の資質があるように思えないが。)

だが、見た目で判断してはいけない。
とりあえず、木刀を劉備に渡して素振りをしてみてくれと言う。
数分後。

「はひ〜〜
 腕が上がらないよぉ〜〜」

数十回振っただけでギブアップだった。

「劉備。
 君は武の才はないと思う。
 どうしても強くなりたかったら、せめて100は余裕で振れるようにならないと。」

「100ですか・・・」

少し顔を引きつっている。
と、先ほどの子供達が劉備の所にやってきた。

「桃香お姉ちゃん!」

「遊ぼう、遊ぼう!」

わらわらと集まってきて、いつの間にか輪ができていた。
劉備は子供達を見て少し困った顔をしている。

「え、えっと〜〜」

ちらちら、と俺の顔を見る。
どうやら俺との修行の事を気にしているのだろう。
劉備から木刀を返してもらい、遊んで来いと言う。
笑いながら頷
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