クズノハ提督始動
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身体から声が発せられ、電が慌てふためき飛び上がった。
「その声は雷か。通信機能でも付いてるのか?」
《試してみたけど上手く行ったみたいね!実はね…》
雷曰く、艦娘が軍艦の化身であるならばその体内にも通信機器が備わっているのではないのか、と思い試したとのこと。
「便利な機能だな…電、それってどこから声が出てるんだ?」
「え、その…私もよくわからないのです…」
《あんまり女の子の体をジロジロ見ちゃ駄目よ!》
「し司令官さん!?」
「え、そんなつもりは…すまぬ」
本人は気をつけている様だが、もしかすると変態提督の烙印が押されるのも時間の問題かもしれない。
《ん?あ!一時の方向より敵艦隊発見!駆逐艦二隻かしら?》
「来たのです…あれ、司令官…」
電が振り向いた時、そこには既に葛葉の姿は無かった。
「よかったのです…ちゃんと戻ってくださって」
葛葉が聞いたら情けなさで泣き出しそうな言葉を呟きながら、電は敵を振り返った。
「なるべくなら、戦いたくはないですが…」
暫く目を閉じて深呼吸し、覚悟を決め艤装を構える。
「妖精さん達もよろしくお願いします。」
砲塔にてその時を待ち構えている妖精さん達に一言声をかけ、電は前方より迫る二隻の敵艦を見据えた。
「とりあえず左に旋回するのです。」
《左に旋回ね?》
二人は一時の方向より迫り来る艦に砲撃を加えられるよう、左に旋回を始めた。
「…そろそろ射程範囲に入るのです」
《号令は任せたわ》
敵艦隊が射程範囲に入るまで残り三秒
「…もうすぐ」
残り二秒
「あと少し」
残り一秒
「……すぅ…」
残り零び「待て!電!!」
「打ち方やめーーーー!!なのです!」
《まだ始めてすらないわよ!?》
全員の緊張感が一瞬で砕け散った。
「…司令官さん?」
《一体どうしたのよ司令官?電の通信まで使って…》
葛葉は電の艦船の方に取り付けられた通信機器を使い、攻撃を止めさせた。この際、電には体の中から突然葛葉の声が聞こえてくる為、否が応でも飛び上がってしまうのは明らかである。
「前は狙うな!後ろの艦のみを狙え!」
「う、後ろのみ…?」
電が首を傾げていると突然前方から叫び声が聞こえてきた。
「うわぁぁん!!そこの二隻もしかして艦娘っぽいー!?ちょっと助けてー!!」
「…どうやらあの子、後ろの敵艦に追われてるみたいだな」
「はは早く助けなきゃなのです!」
《狙うは後続艦のみ!打ち方始めー!!》
前方の艦娘が二隻を避ける形で進路を変えた瞬間、雷の号令により『駆逐艦 雷』
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