SAO編−白百合の刃−
SAO15-偽った双子
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ぎってこと?」
「そうとも言えるな……。攻略組を攻略組たらしめているモチベーションはただ一つ…………数千人のプレイヤーの頂点に立つ最強の剣士で有り続けたいと言う執着心それ自体だ」
兄の話によれば、攻略時、プレイヤー保護だけが目的なら、トッププレイヤー達は手に入れた情報とアイテムを最大限、中層プレイヤーに提供するべきなんだと、そうすることでプレイヤー全体のレベルが底上げされ、攻略組に加わる者の数も今とは比較にならないほど増加する。だけどそれをしないのは、自分たちが常に最強でいたいからだ。
それはつまり、自分の身を護ることしか考えていないことに繋がってしまう。
それは彼らだけじゃなく、私達もそうだってことを兄は話してくれた。
「ようするに私達が今、こうやって行動していることも……」
「そうだ。結果として俺達は彼らを裏切っていることになる」
最強。
絶対負けない。
最強。
圧倒的な力。
最強でいることで確かな命を守れる理由づけにしかならない。ハッキリ言えば自分の命が一番大切だから別の人の命の心配はしないことを言っているようなものだろう。それを私と兄は最強でいたいために仲間である『月夜の黒猫団』を騙して、深夜最前線でレベル上げをしている。
私は……裏切り続けて、いつか精神的に壊れてしまうのではないかと思う兄が放っておけなくて、ついて来ていると同時に、私も最強でいたいために、偽り、裏切り続ける。
深夜の暗闇のように闇を包み本心を表さないように、私達双子の兄妹は今日も騙し続ける。
例え、遠くない未来気づいてしまったとしても。
●
私達双子が入団してから、『月夜の黒猫団』の戦力強化は順調過ぎる程上がっている。 十もあった前線層との差は短期間で五まで縮まり、貯金額も平均レベルもみるみる増加していく。お金が貯まればギルドホームの購入さえも現実的な話となりつつあった。
しかしたった一つ、問題があった。
「きゃっ」
サチが凶悪なモンスターに返り討ちにあい、地面に叩きつけられてしまった。
「おらっ!」
サチに怒涛の追加攻撃してくる昆虫系のモンスターを力いっぱいに弾き返す、その隙にメイサーのテツオがとどめを刺した。
「危なかったな」
「油断すると命落とすからな、テツオも気をつけた方がいいぞ」
「そうだな、キリカいつも助かる」
「礼はいいって、別に……」
私は地面にへたり込むサチに手を差し伸べ、立ち上がらせる。
「大丈夫か、サチ」
「う、うん……ごめんね」
「謝るなバカ、礼を言えアホ」
「うん……ありがと、キリカ」
ふと兄を一瞥してみればこちらを見つめていた。
この時は語らずに頷くだけで戦闘に集中した。
何回か戦
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