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SAO編−白百合の刃−
SAO15-偽った双子
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 メンバーは正直、バランスの悪いパーティーだった。前衛と言えるのは盾とメイスを装備したテツオだけであり、後のメンバーは短剣のみのシーフ型であるダッカー、クォータースタッフを持ったギルドのリーダーであるケイタ、長槍を使うササマルの三人。そしてササマルと同じく長槍を使う紅一点のサチの五人で構成されたギルド。
 そんなギルドとわかって、私はやっぱり単純に誘われただけでとか、お人好しな理由で兄が所属したのではないとわかった。

「へぇ……キリトにこんな綺麗な女の子の妹がいるのか」
「口が悪くて台無しだけどな」
「うっせ」

 兄に(ひじ)うちをすると、変な声が漏れ、笑いが響き合った。
 『月夜の黒猫団』のメンバーと話し合う内に、兄がギルドに入る理由が更にわかってきた。私と兄は仲間で言わば同志のようなものだとすれば、『月夜の黒猫団』は仲間と言うより一つの家族だった。全く違う仲間に惹かれて、家族の温もりが癒しとなり、偽りがいけないことでも、兄はそこにいたいと思ったんだろう。兄のゲームプレイはおそらく、一、二を争う腕を持っているだろう。でも、兄だってゲームを除けばm寂しがり屋で妙に壁を作って人と関わらないようにしようと不器用な人だ。家族の温もりが恋しくたっておかしくはない。

「ハハッ、口が悪いがキリカは美人だな」
「ケイタ……それは褒めているのか? 悪口なら、それ相応に殴るぞ」
「どちらでもないよ。キリカみたいな魅力ある人が入ってくれたから、紅一点だったサチも御役御免(おやくごめんだな)
「何よ、私のこと紅一点だと思ってないくせに」

 ケイタと言うギルドの隊長が、小柄で黒髪のおとなしい、サチって言う子はからかわれて拗ねていた。
 私の口が悪いせいか、おとなしい性格であるサチにとっては不良やチンピラを見る目と同じ、あまり関わりたくないようで怯えていたようにも見えた。それをわかっていながらも、サチに対しては強めの声音で発してしまった。

「何? さっきからジロジロ見てさ、言いたいことあんの?」
「そ、その……」
「ああ? 聞こえねぇよ? なんだって?」

 ビクッと震え、怒っているのではないのかと思っているらしく中々言葉を出せないでいる。
 訂正の言葉でも入れれば少しは気が楽になるのだろうか? そう思っていることには勇気を振り絞って、私に話しかけてきた。

「き、キリカさんは……」
「キリカでいい」
「あ、はい。き、キリカは……その……キリトのこと……好きなの?」

 出会って、かけた言葉がそれかよ。と、内心ではサチに対して呆れてしまう。

「は、はぁ? なんでそう思うの?」
「その……同じ黒い服を来ているから」

 だからって、それだけで兄を好きになるのはどうかと思った。
 あなが
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