XV
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が生きていれば苦言を呈したのは予想に難くない。
それでも吸ってるのは……落ち着くからだろう。
例えそれが依存によるものだとしても。
「ねえ裏瀬」
「あ?」
「アンタさ、学校来ないの?」
何を突拍子ないことを言い始めるのか。
理由は全部ではないとはいえ説明したし、そもそも学校とかで授業受けてる柄じゃないだろう。
そんな思いを込めて岳羽を見つめる。
「話してみたらそう悪い奴でもないし、ちょっとヤバいとこもあるけどさ……私、結構嫌いじゃないよ」
「それが?」
「だからさ、皆で学園生活とかも悪くないんじゃないかなって思ったの」
私や公子、風花――ついでに順平も、そう言って笑う岳羽。
コイツなりの気遣いなのだろうか。
今ならドロップアウトした人生をやり直せると。
「そうだな……」
「でしょ? 風花だってきっと喜ぶと思う」
確かに喜んでくれるだろう。
俺の道に理解は示してくれてはいるが、根っ子の部分で風花は常識人だ。
学校にも行かず危ないことばっかりしている俺を誰よりも心配してくれている。
養父母亡き今、俺のことをそこまで気遣ってくれてるのはアイツくらいだ。
「まあ、気が向いたらな」
本当に気遣ってくれている人間を無碍に扱うほど俺もガキではない。
だから、前向きな答えを返した。
俺を縛る鎖が総て解き放たれた時はもう一度学校に行くのも悪くはないし。
「何よそれ、煮え切らないわね」
「ほっとけ。それより岳羽、お前もう飯は済んだのか?」
「え? ああ、部活終わって直帰だったからまだだけど……」
「そうか。なら、食べに行かないか?」
本当は寮への道すがらテキトーな店で食べるつもりだったのだが……
風花は既に夕食を済ませていたようで、結局何も食べずにここへ来たのだ。
「私と?」
「ああ。一人で食うのも味気ないしな。勿論俺の奢りだ。どうよ?」
「んー……公子や風花に悪い気もするけど……別に私はそんなんじゃないし……」
ブツブツ言いながら百面相をする岳羽、聞こえた内容は――聞こえていないフリをしておこう。
風花に関しては俺達同士で暗黙の了解のようなものがあるし。
公子に関しては――――アイツは本当に何なんだろうか?
何故俺はあの子に惹かれているのか、今を以っても分からない。
「まあいっか。OK、だったら御馳走になるわ」
岳羽の声で一気に現実に引き戻される。
答えの出ない問題について考え込んでしまうのは俺の悪癖だ。
「ん、そうか。何食いたい?」
「昼もあんま食べられなかったから……ガッツリ系?」
少し恥ずかしそうに言う辺り岳羽もやはり女の子なのだろう。
しかしガッツリ系か、俺も良い具合に
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