XV
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むよ。それじゃ、これで解散しよう。桐条くん、山岸くんの召喚器と腕章を頼むよ」
「了解です」
それだけ言って幾月は去って行く。
…………あの分厚い面の皮の向こうでは一体何を考えているのやら。
「さて、山岸。これを受け取ってくれ」
「ピストル?」
「安心してくれ。銃口は埋めてあるし弾も入っていない。私達はこれを使ってペルソナを召喚するんだ」
「ああ、そのことだが美鶴よ。風花にゃいらねえぜそれ。俺と同じでな」
「何? 召喚器なしで安定した召喚が出来るのか?」
「まあな。俺が見たとこでは特に問題なかった。メールに書かなかったっけ?」
「書いていなかったぞ。まったく……しっかりしてくれ」
遊びに行ったりで忙しかったからそこら辺は許して欲しい。
「さて、山岸。君の部屋に案内しよう。荷物は私も持とう」
「す、すいません」
美鶴と風花が二人で部屋を出て行く。
残ったのは俺と岳羽、そして公子の三人だけだ。
伊織は解散宣言と同時に部屋を出て行った、俺とどう接すれば良いのか分からないのだろう。
「あー……公子ちゃん、悪かったなこの間は。刺激的なもん見せちまってさ」
流石にリーダーと何時までもぎくしゃくしているのは良くない。
何を言おうか迷っているように見える公子に先んじて謝罪の言葉を口にする。
「え? う、ううん。別に……その、大丈夫だから」
「そうか。俺もちょっと冷静じゃなくてな。次からは気を付けるよ。ちゃんとバレないようにやる」
「いやいや! 結局やるの!?」
「時と場合によりけりだがな。それより頼みがあるんだが良いか?」
「私に?」
心なしか嬉しそうな公子、とりあえず元のペースには戻せたようだ。
「ああ。知っての通り風花はダチがいないんだわ。男なら一応俺がいるが、幼馴染だしな」
「うん。二人、仲良さそうだよね」
「まあな。話を戻すが女友達は皆無なんだよアイツ。よければ気にかけてやってくれないか?」
「うん! 任せてよ」
「すまんね。割とコミュ力高そうな公子ちゃんなら安心して任せられそうだわ」
実際、この子は色々な意味で人の心に深く入れる性質の人間だ。
そんな人間と一緒に居れば風花もやりやすいだろう。
「早速で悪いが、軽く寮の中案内してやってくれないか?」
「合点承知! ついでに荷解きも手伝って来るよ」
「ああ、頼むわ」
意気揚揚と部屋を出て行く公子を見送って、岳羽に向き合う。
「よう、やっとこ二人になれたな」
「……アンタ、本当に気が付く男よね」
呆れ半分の岳羽だが、そもそも意味ありげな視線を送って来たのはコイツだ。
俺に話があることぐらい分かる。
ついでに言うなら話の内容もある程度は予想出来るのだ。
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