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妖精の義兄妹の絆
プロローグ
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途方に暮れていた…。自分がどこにいてどこを目指して歩いているのさえもわからなくなっていた。
蓄えていた食料も底をつき、水一滴すら残っていない。
目の前の景色がかすれてきた…。
少年タクヤ・フローゼフはその場に倒れた。
体が言うことをきかない。タクヤは自身の死を覚悟した。
(「もう一回だけ会いたかったな…。」)
















(「かあ…さん…。」)

そこでタクヤの意識がきれた…。








『タクヤ…。』
どこかから声が聞こえる。
『目を覚ますのです。』
言われるがままにタクヤは目を開けた。
そこにはなにもなく、ただ白い空間が永遠と続いていた。
『そうか…、俺、死んじゃったのか。』
その声はむなしくも宙に響いた。
体はまったく動かない。まるで全身に麻酔をかけたみたいだ。
『タクヤ…。』
先ほどの声が聞こえる。
『誰…?俺を呼ぶのは誰なの?』
『あなたはまだ死んではいません。』
『冗談だろ?ならここはなんなのさ?』
『ここはあなたの精神世界…。今のあなたは仮死状態にちかいものになっています。』
ここが俺の精神世界…?タクヤは半信半疑になりながらもとりあえず納得した。
『じゃあ…、本当に俺はまだ…死んでないのか?』
『ただし、危険な状態です…。だから、あなたは一刻も早く目覚めなければいけない。』
『…目覚めるって、どうやって…?』
『あなたが心から願えば目覚めるハズです。』
『心から…。』
『あなたは何を望んでいますか?』
『俺は…、母さんに…、マリーネに会いたい!』
『こんなところで諦めるんですか?』
『やだ…。あきらめない…。諦めて、たまるかぁぁぁぁ!!』
タクヤは雄叫びとともに全身にありったけの力を込めた。
上体を起こし、脚をふらつかせながらもその場に立ち上がった。
その姿はまるで、決して諦めることなく勇敢に立ち向かうような勇ましい姿だった。
『その強い思いがあればこれからの未来を切り開いていけるでしょう。』
『…あなたは、一体…』
『私はいつでもあなたを見守り続けるわ。タクヤ。』
『!まさか、かあ…』
そこで意識が途切れた。







再び目を開けるとそこはさっきまでの白い空間ではなく見慣れない天井が広がっていた。
自分はたしか森のなかで気を失ったハズだが…?自分の今の状況が理解できないとき、向こうの扉から一人の少女が現れた。
「あっ、気が付いた?」
そう言って駆け寄ってきた少女は青いショートヘアーで目がぱっちりとした可愛らしい女の子だった。
年はタクヤと同じか下にみえる。
「えっと、ここはどこ…?」
「まだ起き上がっちゃダメだよ。安静にしてなきゃ。」
起き上がろうとした
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