第一部
死と共にはじまるものは、生である
人間は自分の知っていることなら半分は信じる
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トを確認してくれる
「木の葉に行きたいんだね?大丈夫、船は安心していいよ
医者はもうすぐ来るから、しっかりおし!」
もしかしたら俺以上に青褪めている茶屋の主人が見える
自分の店で死者でも出ちゃ商売にならんわな
迷惑料を取り出そうと胸元から財布を取り出し、何枚かお札を握りしめる
「ぼうや・・・?」
訝しげにユギトが眉を寄せた
「げほっ・・・めい、わくりょう・・・ごめ、んなさい・・・」
主人に向ける
ただでさえ青い顔が余計に青ざめていく
いらない心配だったんだろうか
瞼を閉じると限界が来た
遠くから医者が来たことを告げる声がする
ガクッと音を立てて崩れ落ちた
◆
「・・・きて・・・起きて・・・」
誰かが揺さぶっている
頭が重く、起き上がりたくないが、呼ばれてるからには起きねばならない
ゆっくりと目蓋を開く
・・・あぁ、二位ユギトか
一瞬誰だか分らなかったが唇を見て思い出した
レモンじゃなくて血の味だったね
「・・・おはよう、ございます、ご迷惑をおかけして誠に申し訳ございません」
秘儀・起きぬけ土下座の術
湯隠れにて強制習得した高等技術だ
これを使えばどれだけ血で汚れていようと許していただけるすばらしい術であるマル
「どうやら大丈夫そうだね、それじゃ、私は任務があるから失礼するよ」
苦笑しながらユギトは立ちあがり、傍らの医者らしき人物と茶屋の主人にあいさつする
「お姉さん、増血丸ありがとうございました」
「・・・あぁ、気にしなくて良いよ
ところで君の船はあと30分経つと出航するから気をつけてね」
瞳があやしく輝いたがそのまま走り去って行った
流石忍者だけある、目にも追えない早さだった
「坊主本当に大丈夫かい?入院したほうが良いと思うんだが・・・」
医者がそう言った
確かにここまで吐き続けたとなると一旦入院しておきたいが、まずは木の葉に行かないとだめだ
茶屋の人々や医者に謝り倒し、迷惑料を支払い団子を買い船着き場へ移動する
途中まで医者がついて来てくれるようだ
「本当に、御手数お掛けしまして申し訳ありません」
再び土下座する勢いで謝り倒す
「いやいや、それだけ元気があればこちらも有り難いよ
あのまま死んでしまうかと思ったからね・・・」
遠い目で頭を撫でられた
いや、本当に申し訳ないです
「そういえば君は身内に忍者でもいるのかい?」
ん・・・何か探りを入れられて・・・るのか?
一体なんだ?
医者の眼が何やらあやしい
「祖父代わりの人が忍者やってました」
自称祖父とか言ってたけどな自来也は・・・
俺はあいつを忍者と認めたくない
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