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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百十七話 憂鬱な人々
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「昇進するわよ、ヴァレンシュタイン大将ね」
「二階級特進じゃないんだ。ヤン提督は? アルテミスの首飾りを攻略したけど」

「ヴァレンシュタイン提督、ヤン提督、ワイドボーン提督の三人は大将に昇進、それと勲章の授与。自由戦士一等勲章か共和国栄誉章だと思う。もしかするとハイネセン記念特別勲功大章かもしれないわね」
弟がまた溜息を吐きました。名を上げた勲章はいずれも大きな勲功を上げた人物に対して授与される物です。三人とも二十代ですから異例の事でしょう。弟が身を乗り出してきました。

「トリューニヒト議長達が地上制圧戦に加わったって本当なの? 宣伝じゃないかって言われてるけど」
「本当よ、グリーンヒル大尉から聞いたから間違いないわ」
「グリーンヒル大尉?」
「ヤン提督の副官、グリーンヒル統合作戦本部長代理のお嬢さんよ。以前宇宙艦隊総司令部で一緒だったの」
弟が上半身を仰け反らせて“へえー”と声を上げました。

ハイネセンではトリューニヒト議長達が装甲服を着て地上制圧戦に加わった事が大きな話題になっています。クーデターを起こした愛国委員会を激しく糾弾して許さないと宣言した事も有り戦う議長、有言実行の政治家と評価されました。その所為でしょう、クーデター鎮圧後トリューニヒト議長は改めて最高評議会議長に選出されています。

もっとも私は何が有ったか知っていますから評価するよりも政治家も楽じゃないなとしか思えません。実際制圧戦に加わった事で議長達がハイネセン市民を置き去りにして逃げたという批判は殆ど有りません。市民に犠牲が無かった事も有り、あれは緊急避難で已むを得ない事だと市民達は思っているようです。何処かの誰かの思惑通りです。

愛国委員会は殆ど何も出来ませんでした。こちらが二個艦隊で攻め寄せて来るとは思っていなかったのも有りますがアルテミスの首飾りが何の役にも立たなかった事が信じられなかったようです。殆どがショック状態、虚脱状態で為す術も無く制圧され拘束されました。まあ氷で首飾りを壊すなんて彼らじゃなくてもショック状態になるでしょう。

料理が出てきたので食べ始めました。美味しいです、メインの魚料理はスズキのパイ包みですがソースが絶品です。サクサクするパイ皮も最高! パンプキンのスープも大変美味です。母も“美味しい!”と声を上げました。今からデザートのケーキが楽しみ。弟のメインはカルボナード・フラマンド、牛肉を黒ビールで煮込んだ料理ですがこちらも美味しそうです。 

「姉さん、本当に和平が来るのかな?」
弟が和平の事を口にしたのは食事も大分進んだ頃でした。ちょっと不安そうな表情をしています。
「多分そうなるわね。帝国は和平を望んでいるし同盟も和平を望んでいる。理由は分かるでしょう?」
“うん”と弟のシェインが頷きました。


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