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ソードアート・オンライン リング・オブ・ハート
11:素顔を暴けば、こんなにも
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手で押し出して突き放したかと思うと、そのまま指をビシッと突きつけた。

「表に出て、黒の剣士!! キミを完膚(かんぷ)なきまでに叩きのめして、ボクがそんな人間じゃないって所を見せてやる!!」

「ふっ……ふくくっ」

 まさかの願ってもない展開の連続に、俺はついに込みあがる爆笑を堪えきれず、腹を押さえてそれを口から僅かに漏らしてしまった。
 関係の打破に加えて、今度は決闘(デュエル)にてユミルの戦闘力についての情報を得られる絶好の機会を提供してくれると来た。
 こんな予想以上の好結果に、笑わずしていられるものか。
 俺の漏らし笑いを聞いたユミルは……ほんの一瞬だけ泣き出しそうな顔になり、しかし直後、火山が大噴火したかのように顔を真っ赤にして激怒した。

「な……なっ……なにが可笑(おか)しいっ!! ボクは真剣に怒ってるのに、キミって奴は、本当にっ……!!」

「アハハハッ……い、いやすまない……ははっ。よし分かった。その挑戦、受けようじゃないか。ただし……」

 未だ込み上げる笑いを堪えながら、俺もユミルを人差し指で突きつけ返す。

「もし俺が勝ったら、俺を……いや、俺達を、ちゃんと名前で呼ぶこと」

「なっ……!? なんでそんな条件になるんだよ!?」

「おっと、決闘を頼み込んできたのはそっちだぜ? 別に俺はお前の挑戦を却下して、今すぐにでもランチタイムに洒落込(しゃれこ)むことも出来るんだが」

「くっ!? そ、それはっ………う、ううっ……!」

 ユミルは悔しそうに歯を食いしばり、俺に突きつけていた右手を胸の前で握り締め、肩を震わせながら涙目で俺を見上げ始めていた。
 流石に年下の子供に言い過ぎたか……と若干罪悪感がしないでもないが、言い始めた此方も最早引き下がる事は叶わない。

「…………じゃあっ、ボクが勝ったら、ボクに土下座して今までの全てを謝って! ボクを疑ったことも、侮辱した事も何もかも全部!」

「ああ、いいぜ。それじゃあ条件追加だ。俺が勝ったらお前の武器やアイテム、スキル及びステータス情報を洗いざらい見せてもらおうかな」

「ちょっ……ちょっと待って! なんで勝手に追加してるんだよ!? この決闘は、ただボクがキミの思ってるような人間じゃないってトコを見せ付ける為にっ……」

「腹減ったな、そろそろ席に戻るか……」

「くっ、うぅっ……!」

 ちなみに。
 目をソファの方へと向けた先に居るアスナ達は、最初から俺達のやり取りを聞いていて、当初は俺の突然の行動にひたすらあたふたと困惑し、ユミルが怒り始めた所から青い顔でオロオロし始め、今では口をポカンと揃って空けたまま、ただ此方を見ているだけだ。
 こうなったからには、もう後は俺達二人の売り文句に買い文句がひ
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