11:素顔を暴けば、こんなにも
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ら、いい……。それで、他には何?」
早く済ませたいのか、簡潔に言葉を続けるユミルにシリカは一瞬怯みながらも、すぐに意を決したようにぐっと胸の前の両手を握った。
「あの、それから……あたし達はユミルさんのこと、一応……ちゃんと疑ってはいますからっ」
「…………え?」
ユミルはようやく顔をシリカに向けながら、ただ純粋に意が解せない風に少し目を丸くして顔を傾げていた。
「あたし達は……あなたに犯人の可能性があると、ちゃんと受け止めています。それでもっ、あたし達はあなたと友達に――」
「待って」
意味を把握したユミルの目がキュッと細められ、険しくなる。
「キミ、よくそんな立場でボクに言えたものだって、自分で分かってて言ってるの……?」
「はい、分かってます」
対するシリカも今度は一歩も引かず、目に真剣みが灯る。
「自分勝手なのかも知れませんし、迷惑に思われてるかもしれません。それに、あたし達はユミルさんのことをまだよく知りません。だから、時と場合も構わずに友達になりたい、なんていうのは間違いなのかもしれないと思います」
「だったら……」
「――だからといって、それを無下に断るのも間違いだとは思わないかな?」
「なっ……」
いつに間にかアスナが席を離れ、シリカの横に立ち彼女の肩に手を添えていた。
それを見たユミルの目が、ますます鋭くなる。
「またキミか……。キミこそあの時、あんな目でボクにレイピアを突きつけておいて、よくもそんなっ――」
「話をすり替えないで欲しいな。わたし達は前から重ねて質問してるのに……なぜ、あなたは逃げているの?」
「…………ボクは……逃げてなんか、ないっ……!」
静かに立ち上がったユミルは、今度はしっかりとシリカ達を睨め付け、向き直った。気に触れたのか、その静かな所作に反して声は低く、ただならぬ威圧感が感じ取れるが、それに対する二人は微塵たりとも揺らいではいない。
「いいえ、あなたは逃げている。だって、あなたはわたし達の質問に答えていないから」
「…………っ」
ユミルは暫くの間アスナを睨んでいたが、その決意に満ちる姿に、これ以上の相手は無駄だと悟ったのか、表情はそのままで肩の力だけを緩めた。
「……もう何を言っても無駄そうだね」
溜息と共に吐き出されたその言葉は一見、友達になるのを受け入れたかの様ではあったが、表情を見るにそういう意味ではないのは明らかだった。
「だけど、何度問われたって、ボクの答えも変わらない。ボクは、キミ達の友達なんかにはなれない。そんな安っぽい気持ちなんかいらない。何より、ボクはそんなキミ達が……――信じられない」
有無
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