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蒼穹を翔る運命の翼
PHASE-03 「学園」
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そんな事は出来ないだろうが。
「住めば都……か。シャワーはどうしたら良いんです?」
「生憎、近くで男がすぐに使える場所がなくてな。明日の朝、私が案内する。それまで我慢してくれ。制服もその時に支給する」
「明日まで我慢しろって事ですか。俺ってここの……いや、もう何も言いませんよ」
 言うだけ無駄、シンはそう思って諦めることにした。実際、千冬に言ったところでなんの解決にもならない。現場指揮官は、上の決定に従っているだけだからだ。
「本当にすまんな。それでは明日の朝、また来る。おやすみ、アスカ」
 そう言って立ち去ろうとする千冬。どうやら、今日はこれでようやく解放されるらしい。
 気を利かしてか、早々に立ち去っていく千冬。
 これでようやく、人に見張られずのんびりとすることが出来る訳だ。
「それにしても良いんですか? こんな所で一人にしたら、逃げますよ俺」
 色々な意味でいい加減な扱いを受けている為、少し意地を悪くしてシンは言う。
 無論、ブラフである。折角、ここで生活していく上の身分を提供されておいて、利用してやらない手はない。
 ここで逃げてしまえば、全てが取り消されてしまうのだ。利用出来る内は利用してやってもバチは当たらないだろう。
「そうするつもりだったなら、お前ならとうにしていたろう? これだけ辺りも暗くなっている。機会ならいくらでもあったからな」
 立ち止まってそう言い返す千冬。コンテナの灯りでぼんやりと照らしているだけであり、千冬の顔をシンは読み取れない。
「それに残念ながらカメラで学内は監視されている。変な気を起こしても意味はないぞ。明日は早い、早く寝ろ」
 そう言い残して千冬は去っていった。一人ポツンとその場に残される。
 間接的な監視はあるとはいえ、完全にフリーな状態になったというのに、全く実感がない。
 足音が聞こえなくなるまで、千冬の去っていった先をシンは見ていた。。
「さてと……」
 いつまでも突っ立っている訳にも行かないため、シンはコンテナ内に入ることにした。
 そして、扉を閉じたところで気付く。コンテナは中から鍵をかけられない。
「寝込みを襲われる……なんてことは無いか」
 ここは戦場ではなく学校だしな、とシンは扉を少し開ける。ついでにコンテナの中にあった鉄の棒を隙間に挟んでおいた。
 外から鍵をかけられて閉じ込められた悲惨である。そうさせない為に間に噛まして置くのが目的だ。強度も申し分ない。
 それほど冷え込みもしない為、扉は半開きでも構わないだろう。
 それほど地球の南側ではないと推察出来るため、冬になればどうなるかは分からないが。まぁ、その頃にはマトモな部屋に移っていると祈りたい。
 他に何かやる事がある訳でもない為、シンはもう寝てしまうことにした。ご丁寧にブランケットもあっ
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