日常の中に潜む非日常
東方変形葉7話「橙とデート(?)、異変の予感」
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ある飲食店で昼食をとり、ある店で買い物をしていた。
「ねーねー、これ買って〜。」
「ああ、いいよ。」
職につき、収入が入っているので、かなり余裕がある。無駄遣いはいけないけれど。
「あれ、葉川さんじゃないですか!どうしたんですか?」
「あ、蛇道さん。いま買い物に来ているんですよ。」
蛇道さんは、簡単にいえば同業者ということになる。彼の作る人形はなかなかよくできており、参考になるところが多い。一応念のために言っておくが、この人はちゃんとした”人間”だ。
「ねー、その人だれ?」
「仕事仲間だよ。」
雑に説明する。
「あれ?君は確か八雲紫の式の式じゃなかったっけ?」
「こ、こんにちは・・・」
紫って人間の間でも知られてるのか。
「この子と買い物に来ているのですか?」
「はい。あ、大丈夫ですよ。この子は妖怪ですけれど、悪いことなんて全くしません。」
むしろいい子だ。
「あ、いや、そうじゃなくて・・・」
ああ、なるほど。なぜ妖怪であるこの子と一緒にいるのかと聞きたいのか。まあ当然だよな。
「実は俺、幻想郷に来て一月と少しぐらいしか経っていないんですよ。」
「・・・もしかして、あの賢者さんの神隠しに遭ったのかい?」
「え〜っと、少し違いますね。まあその話はすっとばして・・・俺は今、八雲家の居候みたいなものです。」
「ほお!なるほど〜。今度またお話を聞かせてくださいね。では私はこのへんで。」
「はい。さようなら。」
手を振り、別れを告げる。・・・彼は俺の大先輩で、歳も5つ離れているのに、なぜ敬語なのだろうか。
「じゃあ、そろそろ帰ろうか。」
「うん!」
欲しいものを買ってもらった橙の顔は、笑顔に満ち溢れていた。
「おかえり、楽しかった?」
紫が出迎えてくれた。
「ああ。人里って結構にぎやかなんだな。」
「楽しかったです、らんさまー。」
「そうか、よかったな〜。」
微笑ましい家族の会話だ。そこに、紫の真面目な声が飛んできた。
「・・・ところで、裕海。」
「ん?何?」
「急な話で悪いんだけど、たぶんもう少ししたら異変が起きると思うから、それの調査に行ってきてくれないかしら?」
「いいけど・・・なんで異変が起こるとわかっているの?」
「勘よ。」
勘?
「紫様、あの異変って別に動かなくてもよいのでは?」
「ええ、そうよ。だけどいい経験になるわよ。多分異変だと騒いで解決しにくる連中もいるだろうし。」
「はあ・・・」
今日の分の人形作りも終え、風呂も入り、そして今、布団の中である。そういえば、紫が言っていた異変って、早ければ明日ぐらいに起こるらしいな。
「ゆーみくん!寝よ!」
「元気だねぇ。」
「えへへ。」
「じゃあおやすみ。」
「うん!おやすみ!
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