第十一章 追憶の二重奏
第八話 ベルセルク
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。士郎とセイバーは瞬時に自分に迫り来る危機に気付くと、合わせたように背後に飛んだ。
「「―――ッ!? これは―――ッ」」
地響きが三つ響いた。
震源地は三つ。
数瞬まで士郎とセイバーがそれぞれ立っていた場所、及び子供たちの誘導を行っていたティファニアの目の前であった。
宙から地に降り立った士郎とセイバーの足が、微かに地が震える感触を得る。
「―――随分と連れてきたものだな」
『ふふ、それだけあなたを評価していると言うことよ? どう? 嬉しい?』
「生憎だが、人形に迫られて喜ぶ趣味はなくてな」
背を仰け反らせるように上半身だけを起こしたミョズニトニルンに苦々しい顔を向けると、士郎は新たに現れた二体のヨルムンガンドを睨み付ける。
「っ―――シロウ」
切迫するセイバーの声と背後から聞こえる悲鳴と驚愕の声に、前にそびえ立つヨルムンガンドに注意を向けながら士郎は後ろを確認する。
「―――挟まれた、か」
この場から逃げ出そうとしていたルイズたちの前に立ちふさがるように、一体のヨルムンガンドがいた。ロングビルやタバサたちが子供たちの前に立ち、ヨルムンガンドに杖を向けているが、戦力としては十分とは言えないだろう。ただのゴーレムならば問題はないだろうが、ヨルムンガンドはそれとは全く別物である。これに対抗出来る者は、この場では士郎かセイバー、後は―――ルイズしかいない。しかし、今はそのルイズは魔法が使えない状態である。
「気を付けろッ! こいつら体にはエルフの魔法―――カウンターが掛けているっ! 半端な攻撃では通らんぞっ!」
士郎は目の前の二体のヨルムンガンドから目を離さずに背後のロングビルに注意を呼びかける。
最初士郎が攻撃した際に感じた違和感。それは以前、エルフのビダーシャルと戦った際に感じたものであった。攻撃が跳ね返させる感触。効果は本家よりも低く、協力すればロングビルたちでも抜ける可能性はあるが、ヨルムンガンドの元々の防御力が桁違いであるため、結果的には余り変わらない。同じく桁違いの力を持つ士郎とセイバーならばカウンターを抜けてそのまま貫くことは可能であるが、タバサたちの魔法ではそこまでの突破力は望めなかった。
『へぇ、良くわかったわね』
感心したようなミョズニトニルンの声に、士郎は「ふん」と機嫌悪く鼻を鳴らす。
「お陰様でな」
『……やはり、あなたは危険ねガンダールヴ。カウンターをかけたこのヨルムンガンドの足を切り倒すなんて……もしかしてとは思っていたけど、持ってきて正解だったわ』
そこまで言うと、上半身だけを持ち上げたヨルムンガンドの首が士郎からセイバーへと向けられる。
『
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