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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第8話:新メンバーを選抜せよ−2
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昼食を食べ終えたゲオルグとチンクは、午後の分隊長採用試験に向けて
エリーゼとティアナを迎えるべく部隊長室へと入った。

ゲオルグは自分の席で日常業務をこなし、チンクは部屋の中にある
ソファに腰をおろして分隊員候補者たちによる模擬戦の映像を見ていた。
そうして1時間ほどが経ったころ、来客を告げる音が鳴った。
ゲオルグが机の上のスイッチを操作して扉を開けると、一人の隊員が立っていた。

「なんだ?」

「シュミット3尉とランスター執務官をお連れしました」

「通せ」

ゲオルグの指示によってその隊員は壁の向こうに姿を消す。
そして、開け放たれた扉を抜けてエリーゼとティアナが部隊長室の中へ入ってきた。
エリーゼは陸士の茶色い制服を、ティアナは黒い執務官の制服を着ていた。
2人はゲオルグの机の前に並んで立つ。
それを横目で見ていたチンクはソファから立ち上がるとゲオルグの隣に立った。

「2人ともご苦労。 そこのソファにでも座ってくれ。今日の説明をする」
 
「はっ!」

ゲオルグの言葉を受けてエリーゼとティアナは姿勢を正して挙手の礼とすると
2人掛けのソファに並んで腰を下ろした。
ゲオルグはエリーゼたちの向かい側に腰を下ろす。その隣にはチンクが座った。

「2人とも楽にしてくれていい」

ゲオルグは微笑を浮かべて言うのだが、エリーゼもティアナも硬い表情を
くずそうとせず、まあいいかと口の中で呟いたゲオルグは話を続ける。

「じゃあ、早速だけど今日の模擬戦の説明をさせてもらう」

ゲオルグは真面目な表情をつくると向かい側に座る2人の目を順番に見てから
話し始める。

「2人にはウチの分隊をそれぞれ1個分隊率いて、俺とチンクが指揮する
 ガジェットを相手に模擬戦を戦ってもらう。
 評価するのはあくまで指揮能力なのでそのつもりで。
 何か質問は?」

ゲオルグがひどく短い説明を終えるとエリーゼの手が挙がった。

「ゲオルグたちは参戦するの?」

「俺は決めてない。 状況を見ながらだな。 チンクはどうだ?」

「私も同じだ。 状況によって参戦するかどうかは変わるだろう」

「ってことだ。 まあ、指揮能力を見るための模擬戦だから、
 状況はできるだけ流動的な方がいいんだ。 これで答えになってるか?」

ゲオルグとチンクからの回答に満足したのか、エリーゼは黙って頷いた。

「私も質問があります」

エリーゼに続いてティアナが小さく手をあげた。

「フィールドはどういうものになりますか?」

「廃棄都市区域を模擬した戦闘フィールドを用意してる」

「廃棄都市区域ですか・・・・・了解です」

ゲオルグの答えを聞いたティアナは、早くも戦術を練り始めた
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