第8話:新メンバーを選抜せよ−2
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つけて]
エリーゼのほうをじっと見てエランが念話で報告すると、
エリーゼは微笑を浮かべて頷きながら返答した。
エランもそれに笑みを浮かべて頷くと、踵を返して走っていった。
その背中を見送りながらエリーゼは再び黙考する。
(どの観測ポイントとも連絡がつかない、ってことはAMFで通信妨害されてる。
つまり、こっちの配置状況は大体バレててそれぞれにガジェットが
向かってるってことよね・・・。
ともかくまずは連絡がつくようにしないと・・・)
「電波通信で各観測ポイントとの通信を確保してください」
しばらくして顔を上げたエリーゼが指示を出す。
ややあって、通信回線を確保しようとしていた隊員がエリーゼの方に目線を向けた。
「各観測ポイントと通信がつながりました。 チャンネルは3です」
「了解」
エリーゼは短く応じると手に握った自らのデバイスに目を落とす。
「ヴェスペ、チャンネルを合わせて」
《了解です》
機械的な声による応答があって、エリーゼは小さく頷く。
エリーゼが使っているのは刀剣型のアームドデバイスでその名をヴェスペという。
その刀身は細身でまっすぐに伸びたサーベルのような形状をしている。
ややあって、エリーゼと4人の観測要員との間で通信がつながると
エリーゼはすぐさま指示を出し始めた。
「状況がつかめていないと思うから簡単に説明します。
現在私たち本隊はポイントBとDのほぼ中間付近に居ます。
先程来からの状況の推移を見る限り、敵はこちらの配置を把握した上で
AMFによって通信妨害を図っています。
このままでは観測に出てもらったみんなが各個撃破される可能性が高いと判断し
一旦戦線を縮小して戦力を集中します。
これから本隊はグリッド4−23付近にある廃ビルに向かいますので
皆さんも合流してください。
ただし、途中で敵による襲撃を受ける可能性も十分にありますので
周囲への警戒は怠らないようにして、何かあったらすぐに連絡を。
いいですね?」
エリーゼの指示に対して4人の観測要員たちはそれぞれに了解と通信を送ってきた。
通信の終了と同時にエリーゼは小さく嘆息すると、自分と行動をともにしている
2人の隊員のほうを振り返った。
「さあ、私たちもいきましょ!」
2人の隊員はエリーゼの言葉に頷く。
そしてエリーゼを先頭に3人は集結点に向かって駆け出した。
「電波通信は傍受の可能性が高いから平文での通信はさけるべし。
基本だぜ、姉ちゃん」
ゲオルグはエリーゼが発した通信を聞きながら、つぶやくように言った。
ゲオルグは、エリーゼが配置した観測ポイントBを砲撃してから
自分自身は一歩も動
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