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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第8話:新メンバーを選抜せよ−2
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少し足早にビルの端まで歩いて行くと、段差に足を掛けて下に目を向けた。
眼下には左右方向に街路が走り、正面には広めの道路が奥に向かって延びている。
その両者が交わる交差点の中央に魔力反応を探知したガジェットがいる。
しばらくすると、4機のガジェットが集まってきてその場に居るガジェットは
計5機になった。
屋上の端にある段差に片足を掛けてその光景を見下ろしたゲオルグは、
唇の端をわずかに持ち上げてニヤッと笑う。

「そろそろ、はじめますか・・・」

段差から足を下ろすと、ゲオルグは一度大きく一度伸びしてから
画面を操作し始める。

「魔力反応が探知されたのは・・・こっちか」

ガジェットが探知した魔力反応の方向を確認すると、その方向をじっと見つめる。
そしてある廃ビルを睨みつけるように見据えると、右の掌を向けた。

「まずはけん制がわり、ってな・・・・・」

ゲオルグが呟くようにそう言うと、次の瞬間彼の右手から砲撃魔法が放たれる。
廃ビルに砲撃が吸い込まれるように命中し、周囲に破片がはじけ飛ぶ。
右手を降ろしたゲオルグは、ガジェットに向けて指示を下す。

「集結しているガジェットは全機AMF全開で移動開始っと」

ゲオルグは再び画面に目を向ける。
マップ上には中央付近に5つのマーカが固まっていた。
そして、それらを遠巻きに取り囲むように5つのマーカがある。





エリーゼたちは待機していた廃ビルを出たあと、ゲオルグが偵察に出した
ガジェットのうち1機を発見した地点に向かっていた。
その途上、細い路地を5人を先頭で率いて移動するエリーゼに通信が入る。

『観測ポイントBです。 ガジェットが5機に増えまし・・・』

足を止めて通信を聞いていたエリーゼであったが、通信が不自然に
途切れたために怪訝な表情をしながらポイントBの観測を担っていた
隊員に向けて通信を送ろうとする。

「どうしましたか? 何かあったんですか?」

しかし呼びかけに対する応答はなく、エリーゼは厳しい表情を浮かべる。
眉間にしわを寄せてしばし考え込んだのち、傍らに居たひとりの隊員に声をかけた。

「AMFの展開強度を調べてください」

「了解しました」

声を掛けられた索敵担当の隊員は1分ほどかけて調べるとエリーゼの方に向き直る。

「この辺りのAMF強度はレベル6ですが、ポイントBに向かって徐々に
 強くなっているようです」

「そうですか。 発生源の位置は特定できますか?」

「それが・・・AMF強度の変化が一様でなくて、発生源の特定ができないんです」

「一様でないって・・・ちょっと見せてもらえますか?」

そう言ってエリーゼは画面を覗き込む。

「これは・
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