第8話:新メンバーを選抜せよ−2
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す画面のゲオルグをエリーゼは半ば睨むように見据えた。
「大丈夫です。 いつでもいけます」
エリーゼのその言葉にゲオルグは小さく頷いた。
『了解した。 それではこれより模擬戦を開始する』
その言葉を最後に通信ウィンドウは閉じた。
そしてエリーゼはエランの方をみてニコッと笑う。
「ほらね」
「お見それしました。 それよりも・・・」
「そうね・・・」
エリーゼは浮かべていた笑顔をすっかりしまいこんで、
隊員たちの方を振り返った。
「聞いての通り、これから模擬戦が始まります。
先ほど打ち合わせたとおり敵を迎え撃ちますので、
探索チームのみなさんは所定の位置で偵察についてください」
エリーゼの指示に従って隊員たちが動き始める。
その姿を見ながらエリーゼは両の拳を握りしめた。
(かかってきなさい、ゲオルグ!)
エリーゼは実の弟たるゲオルグに対して静かに闘志を燃やしていた。
一方、ゲオルグはエリーゼとの通信を切ると大きく息を吐いて歩き出した。
先ほどまで一緒に居たチンクは一足先にティアナとの模擬戦のために
訓練スペースの中に入っていった。
ゲオルグは訓練スペースに入ると、自分の周囲に10機のガジェットを出現させる。
そして全機を戦闘領域全域に分散するように発進させた。
その姿を見送りながらゲオルグはフッと息を吐く。
「まあ、まずは索敵だわな」
独りごちるようにそう言うと、ゲオルグは腕組みをして考え始める。
(さて、姉ちゃんはどういう作戦をとってくるかな・・・)
自分の前に画面を呼び出すと、訓練スペースのマップを表示させる。
(姉ちゃん自身と1対1で戦ったことは何回もあるけど、
指揮官としての姉ちゃんと戦うのは初めてだからな・・・。
慎重に事を運ぶのがいいか)
組んでいた腕を解いて、マップに表示されるガジェットの位置を表す
マーカーが動くさまを見ながらどのように戦うかを考えるゲオルグ。
その思考はガジェットが魔力反応を探知したことを知らせるアラームの音で
中断させられる。
ガジェットが魔力反応を探知したのは戦闘領域の中央付近で、
そのあたりは特に高いビルがあり、路地が込み入っている区域だった。
「反応はあったけど、弱いな。・・・どうしたもんかな」
ガジェットが送ってきたデータを見たゲオルグは、眉間に軽くしわを寄せながら
呟くように言う。
だが、探知した魔力反応はDランク相当という弱いもので、ゲオルグは
そこにエリーゼたちがいると確信できなかったのである。
「陽動・・・か?」
軽く目を閉じて黙考すること数秒。
再び目を開いたゲオルグは険しい表情を浮かべていた。
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