第8話:新メンバーを選抜せよ−2
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れも、やりすぎるなよ」
最後にチンクはそう言って締めくくった。
フォックス分隊の10名とともに訓練スペースへと入ったエリーゼは
訓練システムが作りだした廃棄されたビル群の間を縫って、北東角に向かっていた。
10分ほど歩いて目的地にたどり着くと、エリーゼは分隊員たちの方へ向き直る。
「改めて自己紹介しますけど、エリーゼ・シュミット3等陸尉です。
今の所属はミッドチルダ次元港の警備部隊です。今日はよろしく」
自己紹介を終えたエリーゼがちょこんと頭を下げると、居並んだフォックス分隊の
面々はビシッと揃った挙手の礼を決める。
エリーゼもそれに対してきちっと答礼すると、隊員たちに向かってニコッと
笑いかけた。
それから10分ほどかけて隊員たち個々の能力を確認したエリーゼは、
簡単なフォーメーションを決めると、どう戦うか考え始めた。
(どう戦うか・・・か。とはいえ、チンクさんが相手かゲオルグが相手かで
戦い方は変わるわよね・・・)
「3尉、よろしいですか?」
腕組みをして考え込むエリーゼに、フォックス分隊のNo.2である
エラン曹長が話しかける。
「なんでしょう?」
「いえ、何をお考えかと思いまして」
「うーん。 とりあえずフォーメーションを決めたのはいいんだけど、
どうやって戦おうかと思って考えてたんですよ。
で、ゲオルグとチンクさんのどっちと戦うことになるのかなって」
「なるほど・・・」
エランは俯き加減で一瞬考え込むと、すぐに顔をあげた。
「3尉は部隊長の実姉なのですよね?」
「うん」
「であれば、部隊長が3尉の相手になることはないのでは?
さすがに実の姉とこういう状況で戦うことを選ぶことはないと思うのですが」
「そうかしら?」
そう言ってエリーゼはエランの考えに疑問を呈する。
「これはゲオルグから直接聞かされたことなんだけど、あの子はティアナちゃんと
機動6課に居たころに相当模擬戦をやってるらしいの。
つまり、ゲオルグはティアナちゃんの戦い方は十分承知してるし、実力も
大体想像がついてると思うのね。
だから、あの子が部隊長としての責任を優先させるなら、むしろ私の相手に
なることを選ぶんじゃないかしら。
姉だからって理由でやりづらいのはあるでしょうけど、それはあの子が妹みたいに
思っているティアナちゃんを相手にしても同じでしょうしね」
「なるほど。 さすが実の姉弟ですね」
エランが心底から感嘆の声をあげると同時に、2人の前に通信ウィンドウが開く。
その中には、既にデバイスをセットアップしたゲオルグの姿があった。
『準備はいいか?』
押し殺した口調で話
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