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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第8話:新メンバーを選抜せよ−2
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「AMF下での通信手段として電波通信を用いた選択はよかった。
 だがその運用はまずかった。
 電波通信は傍受の危険が高いから平文での通信は絶対に避けよとの
 ルールが定められている。
 だが、貴官はそのルールを破り、結果として俺に通信を傍受されて
 作戦プランが筒抜けになっていた。
 この点については十分に反省し、厳重な情報管理を徹底してもらいたい」

「はい・・・」

エリーゼはゲオルグの言葉を聞いて最初は驚き、次いでがっくりと肩を落とした。

「そこを指し引いたとしても、我々特殊陸戦部隊の分隊を率いるものとして
 十分な資質を有すると俺は判断する。
 ぜひ我々のところで貴官の力量を発揮してもらいたい。 以上だ」

「はい、ありがとうございました」

ゲオルグが話を終えると、エリーゼは深くこうべを垂れた。
そして彼女が再び顔をあげたとき、ゲオルグは微笑を浮かべて手を差し伸べていた。

「ってことで来月からはよろしくな、姉ちゃん」

「うん。こちらこそよろしくね」

エリーゼはゲオルグの手をとると、ニコッと笑った。
そして姉弟は隊舎への道を並んで歩きだした。

隊舎の前まで戻るとゲオルグとエリーゼはそこで別れ、
エリーゼは自宅への帰途につき、ゲオルグは隊舎の中に入って行った。
部隊長室に向かって歩く途中、ゲオルグを待ち構えている者がいた。

「今終わったのか?」

「ああ。そっちは早かったな」

壁にもたれかかっていたチンクがゲオルグに向かって歩み寄りながら話しかけると、
ゲオルグは頷きながら応じる。

「そうでもない。 私も今着替えたところだからな」

「そうか。 で、結果は? ティアナはどうだった?」

「問題なしだ。 そもそも私がティアナの指揮官としての適性を
 評価するなんて気が重いと思っていたくらいだからな。
 で、そっちはどうなんだ?」

「こっちも問題なしだ。 正直言って姉ちゃんの指揮官としての適性には
 不安があったんだが、その不安を払拭してあまりある結果だったよ」

「では、分隊長はこれで揃ったわけだな。 あとは・・・明日か」

「だな。 今日中に考えをまとめとかないといけないし、遅くなりそうだよ」

「私は当直だからのんびりやらせてもらう」

「あれ? 今日はチンクが当直長だったっけか。
 悪かったな、朝から付き合わせて」

「それはかまわない。 私にとってはどうということはないからな」

「そうは言ってもだよ。 今度埋め合わせはさせてもらう」

ゲオルグがそう言うとチンクは軽く笑みを浮かべた。

「期待させてもらう。 ではな」

2人は通路の分かれ道までくると、チンクは指揮所の方へ、
ゲオル
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