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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第8話:新メンバーを選抜せよ−2
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でゲオルグを見る。

その様子を見ていたゲオルグは笑みを深くする。
徐に時計に目をやると、顔をあげて大きく息を吐いた。

「レーベン、全員に通信を繋いでくれ」

《了解しました》

そしてフォックス分隊全員との通信がつながると、
ゲオルグは口元の笑みを消して話し始める。

「シュミットだ。 所期の目的を達成したので模擬戦を終了する。
 訓練スペース入り口に集合してくれ。 全員ご苦労だった」

ゲオルグはそれだけ言うと通信を切り、訓練スペースのシステムを操作して
出現させていたガジェットを消した。

「ちょっと、どういうこと!?」

模擬戦の後処理を終えて一息つくゲオルグにエリーゼが詰め寄る。

「どういうこともなにも、聞いての通りだ」

「聞いての通りって・・・まだ決着がついてないじゃない」

なおも言い募るエリーゼを、ゲオルグは冷たい目で見据える。

「どうも考え違いをしているようだから言っておくけど、
 この模擬戦の目的は姉ちゃん個人の戦闘能力を見ることじゃなくて
 姉ちゃんの指揮官としての能力を見るためのものなんだ。
 別に模擬戦の勝敗をはっきりさせる必要はない」

「でも・・・」

「それに、もう時間も時間だしな。 この後もいろいろやることがあるから
 これぐらいにさせてくれよ」

「わかったわよ・・・」

ゲオルグの言葉に不承不承ながらようやく納得したエリーゼに向けて
ゲオルグは笑顔を向ける。

「それに、もうすぐ例のオフトレツアーだからな。
 姉ちゃんとの決着はそこでつけるさ」

不敵に笑いながらそう言うと、エリーゼの方もニヤッと笑う。

「そうね。 首洗って待ってなさい!」





ゲオルグとエリーゼの一行が訓練スペースを出ると、他のフォックス分隊員たちは
既に集合して整列していた。
2人のあとをついてきた隊員もその列に加わり、エリーゼはその前に立った。

「今日はみんな協力ありがとう。 解散してよし」

ゲオルグのその言葉でフォックス分隊の面々は隊舎に帰っていく。
そしてその場にはゲオルグとエリーゼが残された。

「で、シュミット3尉。 今日の模擬戦の講評と選考結果を伝える」

形式ばった口調でゲオルグがそう言うと、エリーゼも背筋を伸ばして
直立不動の姿勢をとる。

「まず、模擬戦における指揮についてだが、状況判断は的確で迅速な行動を
 意識できていたことは評価している。
 AMFの影響下で通信にも事欠く状態にも関わらず情報収集も的確に行っていて
 分隊規模の実戦指揮官としては優秀と言っていいだろう」

「ありがとうございます」

「ただし、1点見逃せない失策があった」

「なんでしょうか
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