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とある彼/彼女の籠球人生
第一話
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想もしなかった職業に驚いたのもあるだろうが━━━━。


(む? マーク?)


口にできない違和感に首を傾げながら、ページの一番最後まで来た時、関連ワードの中にかつての自分の名前と並んで、マークシティ=レオポルドの名前があった。他は全てバスケ用語だったり同じ世代の日本代表ばかり並ぶ中で何故アメリカ人の彼の名前が上がっているのか。


(“マークシティ=レオポルド……二度目の日本来日。■■■ ■■の時と同じく新井 亮二の葬儀にも参加。取材陣にインタビューにこう応えた。“
あの人、私の葬儀にも出てくれたのか)


ページの写真には自分が覚えている時より更に老け込んだ長身の男が写っていた。


(老けたなぁ……まぁ、三十年も経てば当たり前━━━━)


“確かに死は終わりだ。だが、私が認め、彼等の見せてくれた夢は今も変わらず私の中に根付いている。ならばその夢はきっと、また形になって現れてくれると信じている“


「ッ……!」


インタビューに対しマークが応えた言葉。それを見た時、息が詰まった。同時にさっきまで口に出来なかった違和感も氷解した。


(そうか……お前も夢を見せてたんだな)


普段のリアリストな亮二を見慣れてるせいでそこまで考えなかった。でも、そうだな……。誰かに夢を見せるなら教師という職は最適かもしれない。


(そうだな……消させねぇよ。お前の夢も)


今でも思い出せる亮二のプレイ。インテリ染みた毒舌や嫌みを繰り返す言動からイメージできるとおり、あいつのバスケスタイルは正統派のPGそのものだ。視野の広さ、状況に合わせてチームのOFの緩急を操れる判断力、相手PGの出鼻を挫く強固なDF。けれど一番印象に残るのはシュート。特にドライブからのストップ→シュートはその精度とも相まって相手選手のトラウマに数えられる技術だった。
まぁ、味方に対しても何故か毒舌と共にパスされるのは軽いトラウマだったが……。しかも私へのパスの比率が高いせいで散々だった。「走れ、ウスノロ!」「やれ、鈍亀!」━━━━主に足の遅さを詰られていたのは気のせいだろうか?
ポジションが違うから要求されるスキルも変わる。それでもあのシュートスキルならまだ再現できる筈だ。


(さっそく練習しないと! ミニバスのクラブ……いや、それより大人の集まりにさり気なく混じった方が時間と練習量も確保できるか!? 調べれば場所ぐらい分かるだろう。こうしちゃいられない! “あいつ“も呼ぼう!)


夏音(かのん)! “皐月(さつき)“君が来てるわよ!」


「ちょっと待ってください! 今行きます!」


どうやら呼びにいく前に向こうから来てくれたらしい。パソコンの電源を落としながら階下から聞こえる母の
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