暁 〜小説投稿サイト〜
蒼穹を翔る運命の翼
PHASE-02 「現実」
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わせることが出来る。
 そもそも、現状ではアスカの存在自体が国際的にややこしい立場にある。
 少なくとも約三年、時間を稼ぐことが出来れば更に綿密な調査が出来る。
 見方によれば世界一の軍事力を誇るIS学園だ。アスカを転入させてしまえば警戒、監視も容易といえる。
 なに、ISを起動出来るのだ。転入にはなんの問題もない。むしろ一夏とは別ケースを同時に調査可能なのだから、まさに一石二鳥。そう言えば、上に掛け合いやすいだろう。
「そうと決まれば、急ぎ準備をせねばなるまい」
 私は、転入書類の作成を始めた。急げば明日の職員会議に間に合う。元々、学園で起きた問題だ。アスカの転入に文句は言われないだろう。
 日本政府には事後承諾の形とさせてもらおう。色々と面倒だからな。
 本人の意思を無視した形になるが、技研に軟禁と比べると遥かにマシなのだ。快諾はされずとも、拒否はされないだろう。
「また自分から仕事を増やしてしまっているな」
 転入書類を作成しながら溜息をつく。事務作業を好きになれれば、いささか気分は楽になるのだろう。最も、そんな日は永遠に来ないだろうが。
 今夜も徹夜になりそうだ。
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