PHASE-02 「現実」
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の侵入事件。全く、面倒事ばかり増えて肩が凝る。
あれから、こちらへ少し協力的になったアスカは、沈黙を破り質問に答えるようになった。
いや、彼自身の常識とこちらの常識を擦り合わせているのかもしれない。
妄想癖持ちの精神異常者と疑う者もいた為、精神鑑定も行ったが結果はシロ。物的な証拠もある為、なんとも反論のしようもない。
あの正体不明機が現れた時、IS学園上空で異常な空間歪曲を検知した記録も出てきており、にわかに信じがたい事実を我々は薄々と感じていた。
―――シン・アスカは別次元の来訪者なのではないか。
何をバカな事を、と笑いとばす輩もいたが、事はそう単純に片付けられる話ではない
そもそも、ISという兵器自体がSFじみた存在であり、数年前までは、それこそあの奇才ですら変人と扱われていたのだ。
「気乗りはしないが、奴の意見を仰いでみるのも手か……」
性格はともかくとして、能力は一級品だ。
となると、奴の所までアスカを連れて行かなければならない。
「方法を考えねばならんか」
ふむ、と考え込みそして溜息をしてしまう。自分から厄介事を増やそうとしているな、私は。
イカンイカン、と思考を放棄し作業に戻る。来月には我がクラスに二人も転入生が入るのだ、これ以上、仕事を溜め込んでいては担任業務に支障をきたしてしまう。
「これは……技研の報告書か」
厄介事を押し付けてしまっているが、こうして仕事をしてくれている技研には全く頭が上がらない。
近日中にもう一度伺うつもりだったが、アスカについて何か進展はあったのだろうか。
先に軽く目を通しておこうとして、そんな事の出来ない内容と気付く。
「―――なんだと」
いつしか私は、食い入る様に技研の報告書を読んでいた。
「例のコア非搭載のISが突如起動しただと!? それも、アスカが手で触れた直後に」
報告書にはハッキリと、学園で回収した正体不明の機動兵器が変容したISが起動したと書いてある。
言葉を失ってしまう。
一体、何者なのだシン・アスカ。なぜ、コアを搭載していないISを起動できる。
男が起動した前例は既にある。だが、コアの無いISが起動した前例などない。いや、既にアレがISなのかどうかすら疑わしいものだ。
「手で触れた後<インパルス>と呼び、その後で起動した……か」
危険を考慮して、それ以降は機体に触れさせていないとの報告もある。
<インパルス>とは、あのISの名前か。いや、元はその名前の機体だった……という事か。
確かに、各部装甲の形状は恐ろしい程似通っていた。その上、アスカの手で起動したという事は、やはりあの機動兵器が変容したという事なのだろう。
「いや……これは、チャンスか」
上手くいけば面倒な手続きを省いて、アスカを奴に会
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