第5章 契約
第88話 カトレア
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…………。
――――って、コイツは!
「貴女は白虎なのですか?」
確かに向こうの世界でも出会った事が有るので、多分、間違えてはいないと思う……のですが、それでも少し自信がないので疑問形で問い掛ける俺。
そう。確かに、向こうの世界でも虎種と言う種族と出会った事が俺には有ります。
但し、それは人型をした虎種。水晶宮の関係者の中には、虎種に繋がる人間も居ました。故に完全に、何処からどう見ても猫以外の姿に見えない虎種と言う存在に出会ったのは……。
……多分今回が初めて。そう考え掛けた俺。しかし、その考えに記憶の片隅から僅かな違和感を覚える。そう言えば、何時の事なのかはっきりとは思い出せないけど、猫に変化をした虎種と言う存在にも出会った事が有るような、ないような……。
白猫を見つめながら、少し固まる俺。どうにも思い出せそうで、思い出せない、非常にもどかしい感覚。
そんなもどかしい思いに囚われる事数瞬。しかし、首を横に振る。
そう、これは確信。何処かで猫の姿をした虎種に、俺は出会った事が有る。あれは確か……。
「南を統べる炎の精霊王の住まう山に朱雀が顕われ、北を統べる水の精霊王の住まう湖を護って居たのが元は黒龍。東は青龍が治めるマヴァールの地。
ならば西を護る聖獣白虎が顕われない訳がないやろうが、坊主」
掴み掛かった記憶の奥底に沈む何かを、無理矢理に思い出そうとする俺。しかし、その風の精霊王と呼ばれた白虎の言葉が現実に引き戻す。
その内容。これは西洋風のファンタジー世界にはそぐわない思想。四神相応と言う思想。
確かに、地形から言うとガリアは四神相応とは言い難い地形でしょう。……が、しかし、それぞれの方向に対応した精霊王を配置すれば、そんな地形的な物は無視しても構わないはず。
そして、このハルケギニアで最も栄えて居る国がガリアですから、その国自体が四神相応の土地に国を配置して有ったとしても不思議では有りません。
しかし……。
「少し疑問が有るのですが、風の精霊王。それに、炎の精霊王。このハルケギニア世界。いや、このガリアには、昔、仙人が住んで居た、もしくは訪れた事が有ると言うのですか?」
前々から気に成っていた部分を口にする俺。
確かにこのハルケギニアと言う世界が、今までも西洋風剣と魔法のファンタジー世界だと思い込んでいると足元をすくわれる事が有る、……と言う事は判っていましたが。
ただ、それにしても、こう言うあからさまな形で白虎が目の前に現れる事態と言うのは流石に……。
「さあな。ウチに言えるのは、ウチの師匠に命じられて、何時かこの世界に訪れる危機を回避する手伝いをしろ、と言われただけやからな」
具体的な時期も、まして、その手伝いをする相手の名
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