第四十二話
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キを取るのかを選ばせる気だったがそのまま選ばずにずるずると利用されそうだからな。思い切ってオレが辞職する」
「そんないきなり」
「オレの教師としてのプライドをここまでボロボロにして宣戦布告されてないだけありがたく思え。一応今年度までは教師としていてやるがそれ以降は一切知らん」
それだけを言い学園長室をあとにする。
そしてテストの結果は3位、頑張った方だ。今まで半分より下だったのが3位まで上がったのだから十分だ。ある程度の払い戻しがあったのでそれを使って打ち上げパーティーをさせた。オレは書類整理などで忙しかったので参加しなかったが。
そして終業式が終わり2-Aで最後の、オレの麻帆良での最後のHRが始まる。
全員、オレの雰囲気が違う事に気がついているのか誰一人として騒いだりしていなかった。
「さて、あとは成績表を返せばそれで春休みに突入なんだが君たちに伝えなければならない事が有る。今年度を持ってオレは教師を辞める事になった」
「どうしてなんですか」
一番最初に反応したのはタカミチだった。
オレが辞職する事を知っているのは学園長と新田先生と家族だけだ。
「テスト前の金曜日だった。ある生徒から電話がかかってきた。内容は図書館島に無断で侵入しようとしている生徒が居ると。オレはすぐに現場に向かった。連絡通りそこには無断侵入を行なった生徒と教育実習生が居た」
名前は一切出していないが誰かは分かるだろう。
「直ぐさま全員を捕まえて説教を行ない、その後学園長に報告した。そしてオレはその教育実習生に何らかの罰を求めたが学園長は首を縦に振らなかった。その実習生は他にも不祥事を起こしているがそれはすべて内々に処理されていた。それらも含めて罰を与えないというのならオレは辞職すると辞表を叩き付けた所それが受理された。ただそれだけの事だ」
「先生はこれからどうするつもりなんですか」
「蓄えはあるし雑貨屋の方で暮らしていく分には問題は無いが娘達の卒業を機に麻帆良から引っ越す予定だ。それまでは旧友に会いに行ったりしてるが基本的には店の方に居るから何か相談事があるなら来ると良い」
「先生あの、その」
切っ掛けとなってしまった生徒達が何か言いたそうにしているがそれを手で制する。
「これはオレが決めた事だ。その結果に後悔は……ないが、お前達の卒業を担任として見届けてやれないのは残念だ」
何人か涙ぐんでいる生徒が居る。オレは彼女達に教師として認められていたのだろう。ならそれで十分に満たされる。
「さて、これからオレの最後の仕事を始める。呼ばれた奴から成績表を取りにく
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