第三十九話
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「まずは企業に就職する事は出来ない。いくら頭が良かろうと経験不足で世間知らずだからだ。これほど使いにくい人材を欲しがる企業がどこに居る。それに大国なら労働基準法もあるから働く事自体が無理だ。ならどうするか。
いくつか考えられるが、大まかにはこんな所だろう。大学に残って好き勝手に研究する、誰かを代理に立てて自ら起業する、後は政府の犬になるのと汚い大人達の政争に巻き込まれると言った所か。まあ前半2つはともかく後半2つになったら最悪の人生だろうな。そして子供先生だが正直な所とっとと故郷に帰って欲しいのが個人的な意見だ。先生とは先に生きると書くがその名が示す通り先に生きている者が後に生きる者に知恵を与える者の事だ。
それに矛盾する存在である子供先生はもう少し生きてから教師を目指して欲しい。1週間彼を指導してみたが本当に教師を目指しているのか不安になる事が時々あった。そこら辺は子供なんだなと思うがそんな中途半端な思いで教師にはなって欲しくない。
もうすぐ2年も終わり、3年にもなれば進路について悩む子もいるはずだ。そんな君たちは彼に頼る事が出来るか?まず出来ないだろう。頼る事の出来ない教師、果たしてそんな存在は必要なのだろうか」
「先生、なんかいつもより過激じゃないですか」
生徒に指摘されて今言っていた言葉を思い出す。確かに過激だ、アレの影響だろうが誤差の範囲内かな。それでもこういった現象は初めてだ。至急原因を解明する必要があるな。まあ、今は生徒達の不安を取り除く方が先だな。
「ふぅ〜、そうだな。寝不足のせいか少し思考が単純になってしまっているみたいだ。だがオレは教師という仕事に誇りを持っている。それを穢して欲しくないという気持ちがあるという事を知っておいて欲しい。さて、時間だ。今日の授業はこれまでだ、日直」
「起立、礼」
『ありがとうございました。先生、頑張って下さい』
「ああ、ありがとう」
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