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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜
閑話ー聖槍と聖剣の英雄ー
70.剣技連携
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、シリカがダガーを握り直す気配を感じる。

「シリカ、カウントで《泡》頼む! ーー二、一、今!」

シリカが叫ぶ。

「ピナ、《バブルブレス》!」

宙を滑った泡が、バトルアックスを振り回そうとする金牛の前で弾けた。魔法耐性の低い牛なら、一瞬でも動きを止められるはずだ。

「ゴー!」

キリトの声に合わせて、アスナを除く全員の武器にライト・エフェクトが眩く迸る。




《ユニークスキル》
浮遊城アインクラッドに存在したスキル。
それらは、最強ギルド血盟騎士団のリーダー、聖騎士が持つ、絶対不滅の十字盾を掲げ、攻防自在の剣技を操る、《神聖剣》。ソロで最前線を駆け抜けた《黒の剣士》が持つ、二本の剣で連続攻撃を操る、《二刀流》。
そして、俺が操る、《手刀術》。
他にも幾つものユニークスキルが存在していただろう。
《ユニークスキル》は、それ一つ一つがとてつもない力を持ち、ゲームバランスさえも崩しかねないスキルだ。
それをヒースクリフ・茅場晶彦だけが持っているならわかるがそれを俺たちまでもが持っているのは、なぜなのだろう。
そんなことをしなければ、七十五層という四分の三地点で終焉を迎えることはなかった。

この世界では、《手刀術》が《ユニークスキル》ではなく通常スキルとして誰もが使うことができる。
だが、俺はこの世界で《手刀術》を使うことが心のどこかで躊躇ってしまう。
《手刀術》をもっと早く持っていれば、もっと多くの人を守れたかもしれない。
だが、反して俺は、《手刀術》を持っていながら、あの時、キリトを守ることさえもできなかった。
この二つの反する感情が俺に《手刀術》を使わせるのを躊躇わせる。
だが、今だけは、躊躇いを振り切ってゲームを行う。




ピナの《バブルブレス》によって大技が潰された瞬間に金牛に正面から俺とキリト、右からクライン、左からリーファ、さらにその左右からリズとシリカが一斉に突撃。

「う……おおッ!」

口々に吠えながら、それぞれの最大級ソードスキルを放つ。クラインの刃が炎に包まれて暴れ、リーファの長剣が疾風を巻き起こし閃き、シリカの短剣が水飛沫を散らし、リズのメイスが雷光放つ。更に後方から、氷の矢が立て続けに飛来し、正確に鼻頭を貫く。

俺とキリトは、一瞬顔を見合わせて同時に突進する。
両手の指先を刃の如くまっすぐ伸ばし、両腕が黄金の閃光を纏う。
久しぶりに味わった感覚。それはどこか懐かしさを感じさせるような輝きだった。
手刀の起動中にキリトの右手の剣がオレンジ色の輝きを纏いながら突進する。
高速五連突きから斬り下ろし、斬り上げ、そして全力の上段斬り。

片手剣八連撃技《ハウリング・オクターブ》物理四割、火炎六割
キリトの大技が決まった瞬間に左
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