弄ばれた2つの心
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。
「―――――――――――――消えろ」
ジュビアを見つめる、黒いつり気味の目――――――――。
(違う・・・この人は、グレイ様じゃない!)
それに気付き、慌てて離れようとするが、時既に遅し。
ドォォォオオオンッ!!!!
ジュビアの至近距離―――否、ジュビアの水の体の中で。
激しい、爆発音が響いた。
「ママー!」
「ルーシィのお母さーん!」
別の塔では、ルーシィとルーがルーシィの母親を探していた。
「いないなぁ・・・」
「あっ!ルーシィ見て!」
どこを探しても見つからない母親の姿に思わずルーシィは肩を落とす。
すると、ルーがはしゃいだ声でルーシィを呼んだ。
「何?」
「ほらっ!ここ!」
足音を響かせてルーシィがルーの横に並ぶのを確認し、ルーは自分の前にあるそれを指さす。
そこにあるのは――――――ドアノブ。
2人は顔を見合わせる。
「これって・・・!」
「それにねっ!それにねっ!よぉく聴いて!」
満面の笑みでルーは耳を澄ませる。
釣られるようにルーシィも耳を澄ませた。
扉の奥――――――声が、響く。
「ルーシィ・・・ルーシィ・・・」
「!」
その声はまさに、母の声。
幼い頃に何度も聞いた、温かくて優しい、大好きな声・・・。
思わずルーシィは微笑む。
それを見たルーも、安心したように微笑んだ。
「行こう、ルーシィ。お母さんはこの中だよ!」
「うんっ!」
頷いたのを見て、ルーはガチャリとドアノブを捻る。
ルーシィが部屋の中に入り、続いてルーが部屋の中に入った。
「・・・何も無いね」
「無だね」
その部屋には、何もない。
強いて言うなら窓が1つあるだけだ。
他には家具も装飾品も見当たらない。
すると―――――
「ルーシィ」
「!」
声が響いた。
ルーの声ではない、女の声。
温かくて優しい、大好きな母親の声。
「ママ!」
「見てルーシィ!あそこっ!」
ルーが前を指さした。
その指の先をルーシィは追う。
そこにいたのは、金髪の女性だった。
ルーシィによく似た顔立ちで、ドレスを纏い、優しそうに微笑んでいる。
「ママっ!」
そこに佇むのはルーシィの母親―――――レイラ・ハートフィリア。
最後の時と全く変わらないその姿に、ルーシィの目から涙が溢れる。
「ルーシィ・・・」
「ママ!」
優しく微笑む母親が目の前にいる。
その事実を噛みしめながら、
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