弄ばれた2つの心
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った・・・」
何やら本物の5倍はイケメンになっているグレイに手を引かれて2人で敵を倒し、(何故そうなるのかは解らないが)グレイにプロポーズされるという妄想をしながら、ジュビアはうっとりとした表情で階段を上がっていく。
ちなみにこの時、別の塔にいるグレイはくしゃみをしたとか、しなかったとか。
「・・・あら?」
階段を上り終えたジュビアは、ふと足を止める。
そこにはこの塔の雰囲気を見事なまでにぶち壊す看板があった。
【絶賛大人気!グレイ・フルバスターフィギュア!数量限定!】
・・・と、ネオンカラーのペンで書かれていた。
序でに言えば、本物より7倍はイケメンになっているグレイの絵付きで。
これは余談だが、ギルドで売っているグレイのフィギュアはある人が買い占めてレア化しているらしい。
「グレイ様の!?フィギュア!?」
そしてそれに反応するのがジュビアである。
今はそれどころではないのだが、恋は盲目。
友達も大事だがやはり優先順位第1位はグレイであり、ジュビアは吸い込まれるようにその看板の置いてある近くのドアを開けた。
「!」
そして、ジュビアは目を見開く。
その部屋の中央・・・よく顔は見えないが、背格好がグレイに似た青年が立っている。
ふわり、と揺れた髪の色は・・・黒。
「ぐ、ぐぐぐグレイ様っ!?」
思わずどもるジュビア。
(ど、どうしてっ!?グレイ様は別の塔に・・・まさかっ!ジュビアが心配で来てくれた・・・!?きゃああっ!ジュビア嬉しい!)
傍から見ると「何してんだコイツ」としか思えないのだが。
妄想に身を任せ、ジュビアはジタバタと体を震わせる。
「・・・ジュビア」
「はうっ!」
静かに呟かれた自分の名に、ジュビアはドキン!と小さく跳ね上がる。
その声はグレイの声に似ており、よくよく聞けば少し違う気もしなくもないが、絶賛妄想中のジュビアは気づかなかった。
「俺が誰か、解るか?」
「はいっ!グレイ様です!」
満面の笑み。
その言葉を具現化したような笑顔を、ジュビアは浮かべる。
「・・・お前は俺を、どう思ってる?」
「えっ!?」
思わずジュビアは言葉に詰まった。
停止したまま、脳内で言葉がぐるぐる回る。
(そ、それって・・・ジュビア、告白のチャンス!?で、でもでもっ!もしかしたら“仲間”として、なのかもしれないし・・・ううんっ!これは告白の大チャンス!そう、遂にジュビアとグレイ様は相思相愛の恋人同士に!・・・でもっ!告白の準備なんて、ジュビア全くしてない!ああ・・・ジュビアどうしたら〜!?)
あああああ・・・と呟きながら頭を抱えるジュビア。
その様子を見たグレイは、ゆっくりと口を開いた。
「
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