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ソードアート・オンライン  〜生きる少年〜
第一章   護れなかった少年
第二十八話  悪夢(後編)
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感的に

首の左側にメイスを移動させる、と。

ガインッ!! と音がして、メイスに振られた鎌が当たった。

『あら、以外とやるわね小娘』

「ま、まぁね......」

口ではそういった物の、おどろきを隠せなかった。

今防げたのはただの偶然。

サァ......と背中を冷たい物が通っていく。

次振られたら、避けられる気がしないわね......。

ならっ!!

「ハァッ!!」

地面を蹴って疾走する。

選んだ答えは単純、振られたらダメだら、振らせなければいい。攻撃は最大の防御、と言う訳だ。

スキルも何も使わず、真上から振り下ろす。
その一撃は鎌の柄の部分で防がれるが、これでいい。攻撃する暇は与えない!!

ガァン!! ギィン!!

金属と金属がぶつかる音が響く。

何回響いたか分からない。もう息が切れて、腕が重い。でも、それがようやく功を奏した。

ナイトメアが体勢を崩したのである。

「これでッ!!」

メイスを振り上げ、そこに緑色のスキルエフェクトが纏われる。

メイス重攻撃技《パッシブル・ブロウ》。

一撃だけだが、その威力はかなり高い。

正直、もうメイスがかなり重く感じる。頼むから、これで終わって――!!

『ひっかかったね』

瞬感、背後からそんな声が聞こえる。

これはやばい――!!

私の中で警鐘が鳴り響く。

今スキルの発動を止めると、硬直し、その瞬感に殺される。

なら――。

あえて、そのままスキルの動きに身をゆだねる。

このスキルは、真っ直ぐ真下に振る技なので、そのまま真下に振られる勢いを利用し、倒れ込む。

「くっ!」

それでも回避が間に合わず、左肩が若干切られる。

『ほぅ......。やるわね小娘』

スキルによる硬直が解け、ゆっくりと立ち上がる。

HPゲージを見ると、少し減っていた。

まぁ、ここまで出来れば上出来だろう。

改めてナイトメアのHPを見ると多少は減っていた。

「ハァッ!!」

再度メイスで殴りかかる。

『フム。諦めない所はいいわね。......でも今は』

そこで、メイスを思いっきり打ち上げられる。

『見苦しいわ』

そして隙が出来た私の胴に向かってナイトメアが鎌を振るう。

最大限お腹を引っ込めるが、避けきることは出来ず、結構深く切り裂かれる。

「キャァァァアァァアアア!!」

悲鳴を上げながら崩れ落ちる。

今度はHPが大きく減り、半分を割る。

勝て......ない......やっぱり......。

死力は尽くした。

あいつを護ろうと頑張った。

でも、もう......。


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