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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
空白期 第1話 「少女の目には」
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、彼やなのはにこのような思いを抱かせ続けたのかもしれない。

「……ごめん」
「……まあ言っておいて何だけど、あまり自分を責めないでほしい。俺はただ理解してほしいってだけで、別に責めるつもりはないんだ。いや……そもそも責める資格がない」

 声が不意に小さくなったことが気になって顔を上げると、ショウは手すりに片手を乗せて海を見ていた。彼の顔が見えるように移動すると、自分を責めていそうな表情が視界に映る。

「根本的な原因は俺にある。俺が迂闊に行動しなかったなら君が身代わりになることもなかった。俺がもっと強かったなら、君に心配させずに済んだんだから」
「そんなことない! あ……いや、あの、ショウが弱いってことを言いたいんじゃないんだよ。その、どんなに強かったとしても、私にとってショウは大切な人のひとりだから心配するだろうし……」

 慌てているのにも関わらず、冷静に現状を把握する自分もいて恥ずかしさが込み上げてくる。
 ――わ、私は何を言ってるの。たた大切って……だ、大丈夫だよね。ショウだし、勘違いしたりしないよね。というか、そもそも私達ってまだそういう年じゃないもんね。いやでも、私達の年でも好きって感情は芽生えるわけで。ショウって同年代の子よりも大人っぽいし、それが原因で勘違いするんじゃ……。
 などと余計なことまで思考しながらも、私の口は止まらずに動き続ける。

「あのときショウが行ってなかったら私が行ってたと思うんだ。だから結果としては変わらなかったというか……」
「……少し落ち着いたら?」

 呆れた顔を浮かべるショウを見て、ますます私の中に恥ずかしさが込み上げてくる。本当に私は何をやっているのだろう。
 会話は一旦途切れて沈黙が流れ始める。
 耳に聞こえてくるのは波の音や彼のかすかな息遣いだけだが、気まずさはないに等しい。それが功を奏して、私の中の羞恥心は早めに落ち着いた。
 会話を再開しようと思ったがショウの横顔を見て、私は開きかけた口を閉じた。海を静かに眺める彼の顔は、記憶にある彼と違って見える。
 ……具体的にどうとは言えないけど、前よりも纏ってる雰囲気が穏やかになったって言えばいいのかな。近くにいてもあまり緊張しないし。
 ショウだけを見ながらあれこれ考えていると、不意に彼がこちらに顔を向けた。

「落ち着いた?」
「え、あぁうん!」
「落ち着いてるようには見えないんだけど?」
「そ、それは、いきなりだったから驚いたというか……とにかく大丈夫だから!」

 言えない、絶対に言えない。
 ショウのことを見ていたから、なんて言ったら変な子だと思われるか理由を聞かれるそうだし。……すでに思われてるのかな。ショウ、さっきから私を見て呆れてる感じだし……何でなのはのときみたいにできないんだろう
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