幻想入り、そして修行
東方変形葉3話「修行開始!」
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朝食を食べ終え、さっそく修行がはじまった。指導係の紫に加え、手伝い役の藍、見物人の橙がいる。
「まずはあなたがどのぐらいその能力を使えるか確かめるわ。藍。」
「はい。」
紫に言われて藍が持ってきたのは、鉄球だった。
「これをあなたの力で銅に変えてみせなさい。」
紫が言ったことは、現在の科学でも無理難題のことだった。
「ええ!?そんな天と地をひっくり返すようなことができるのですか!?」
「まあみてなさい。」
あの鉄球を銅に・・・手を振り上げ、少し力を入れる。すると・・・
「え?」
「うそ!?」
「・・・なるほど」
鉄球は銅になっていた。しかし、それは半分だけ。半分鉄、半分銅の球が目の前にあった。
「なんてこと・・・まさか原子を“変化”させるなんて・・」
藍はかなり混乱していた。まあそうだろう。この世の絶対的ともいえる法則をひっくり返したのだから。もちろん見せかけなどではない。電子や陽子の量を変えることでこうなる。まあ、銅になれと念じるだけでもなるんだけど。
「変化させようと思ったらできるみたいだけれど、その制御がまだまだのようね。なら話は早いわ。一生懸命練習すれば大体2か月くらいで使いこなせるようになるわね。」
2か月・・・意外と早いな。10年はかかると思ってた。
「というわけで藍、あとはよろしく。あの方法で構わないわよ、私は寝るけれど。」
・・・寝たいお年頃なのだろうか、さっさとスキマに入って寝てしまった。
「じゃあ裕海、この紙の箱を木の箱に変えてみて。」
このシチュは慣れているのかな。まあいいか。手を振り上げて力をいれる。
「・・・すごい。3分の2とはいえ、紙を木に変えるなんて・・・」
修行はこの後2時間続いた。
変化は“へんか”と読み、“へんげ”とも読める。しかし、対象物とは全く関係のないものや、生物自体は変えられない。例えば、野菜から土に変えようと思っても関係がないし、あの猫を犬に変えようと思っても生物だからできない。この能力は固体に限らず、気体や液体、意識や心境など形のない、決まっていないものも変えられる。
だが、変化とは偶然が積み重なっておこるもの、つまり自然現象だ。それに何がどういう風に変化するなんて誰にもわからない。この能力の恐ろしさは、数えきれないほど枝分かれした道を、1本の道にしてしまうことにある。
って紫が言ってた。
つまり、良く言えば「最善を一瞬で導く」ということだ。
2時間能力を使いまくった裕海はへとへとになっていた。
と、そこへ紫がやってきた。
「調子はどうかしら?」
「う〜ん、なかなか制御は難しいのだけど、なにかつかめたような気がするよ。」
「そう、それはよかったわね。」
なんとなく、紫と会話をすると気分がよくなる感じがする。そうおもっていると
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