暁 〜小説投稿サイト〜
とらっぷ&だんじょん!
第一部 vs.まもの!
第17話 ねえ、もしも……。
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ガタガタ揺らした。
「俺は見たくないッ! 俺は見たくないッ!!!」
「トラップの謎はひとまず措くとしよう。いずれにしろ、太陽の宝玉の入手を急がなければならない事には変わりはないからな」
 ディアスが無視して言った。クムランも真顔になる。
「はい。では、みなさんがこれから向かわれる第一神殿最奥部についてお話ししましょう。まず太陽の宝玉がある階層ですが、複数の部屋がランダムに入れ替わり現れます。奥に進み、来た道を戻ると部屋の形が変わっている、という事になるので、最初は戸惑ってしまうかもしれませんね。ですが、それを進みある程度奥に行くと、太陽の宝玉がある部屋です」
「その部屋に着くまでに、魔物のほか障害となり得るものは」
「そうですね。あまり確率は高くありませんが、宝玉がある部屋の一歩手前で強力な魔物が出現する事があります。ガーディアンと呼ばれていますが、もしその魔物がいる部屋に行き当たったら」
 クムランは微笑み、
「……まあ、なんとかやり過ごしてください!」
 で、行ったらばっちりその魔物がいた。

 荒れ果てた室内に火柱が吹きあがる。熱波で喉が焼けそうだ。顔はひりひりと痛み、間一髪で倒れた柱の陰に潜りこんだウェルドはどうにか魔法攻撃をやり過ごす事が出来た。
「あ、あ、あ、あ、あんなのに遭ったなんてパスカの奴ら、誰も言わなかったぞ!」
「あの三人は遭わなかったんでしょ? クムラン先生も仰ってたじゃない、ここは行く手の部屋がランダムで入れ替わる階層だって」
 同じく床に伏せたノエルが、ショールで口を覆いながら言う。
「何で俺らの場合ってこうツイてないんだよぉ」
 ガーディアンは円錐型の胴体に浮遊する頭、本体から離れて動き回る両腕で構成される巨大な魔物だった。その体は金属でできており、出口の扉を塞いでいる。悪い事に、三人が今来た通路も、既に敵の魔法攻撃で崩れた瓦礫に塞がれていた。
「てか、この状況どうするよ。あの体じゃ俺の大剣は効きそうにねぇし」
「同じく、凍結魔法も無生物相手には効果が薄い」
「かと言って、焼いて燃やせるようなものでもなさそうね」
 三人は敵の死角で身を寄せ合い、対策を練っていた。幸いにも荒れ果てた室内には、身を隠すのに最適なスペースが幾らでもあった。敵は怒り狂っている様で、火柱の魔法がそこかしこで、絶え間なく炸裂している。
「同じくらいの質量の物をぶつけりゃ何とかなりそうじゃねえか? 瓦礫の下にフリップパネル敷いてぶつけるとか」
「駄目よ!」
 ノエルが肩をいからせる。
「たかが瓦礫、されど瓦礫! 見てよ、ここに描かれている壁画! ここに彫られている文言! どれもこれも古代文明の重要な資料だわ! いくら壊れているからって――!」
 と、三人が座りこむ床に魔方陣が敷かれた。三人は硬直し、次の瞬間、
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