第二章
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第二章
「うちのチームにはないものだからな」
「それをあいつが入れてくれるからな」
「それがきっとな」
「ああ、うちのチームをよくしてくれる」
蟻田はこのことを確信していた。
「間違いなくな」
「それでどう使うんだ?」
「打順は三番だな」
蟻田はまずは打順から話した。
「足もあるからな」
「そうか、三番か」
「守備位置はライトだ」
次にポジションだった。外野だった。
「空いてたしな、丁度いい」
「よし、じゃあ三番ライトか」
「これでよくやってくれる」
こう言う蟻田だった。
「あいつ、うちのチームを変えてくれるぞ」
「ああ、そうだな。それはな」
「間違いないからな」
こうしてだった。二人はあることを確信していた。二人の顔は明るい。
そしてだ。オープン戦でだ。サンターナはいきなりだった。
「おいおい、何だよあれ」
「何やってんだよあいつ」
「何だありゃ」
メキシコのあの白地に赤と青の派手な幅の広い帽子と同じ配色の民族衣装を着てだ。グラウンドでパフォーマンスをはじめたのである。
ギターを奏でながらだ。彼は観客達に対して言う。
「こんにちは、日本の皆さん!」
こうだ。意外と流暢な日本語で話すのだった。
「私サンターナ、背番号は十六!」
背番号まで言う。
「頑張るよ!応援宜しく!」
「おお、宜しくな!」
「サンターナ、頑張れよ!」
「期待してるからな!」
ファン達もだ。笑顔で彼に応える。これが彼のデビューだった。
しかしナインはだ。そんな彼をベンチから見ながら唖然となっていた。
「何だありゃ」
「メキシコの服だよな」
「それでギターって」
「何てパフォーマンスなんだよ」
それに驚いての言葉だった。
「真面目にやってるのかよ」
「あんなことして駄目だったらどうするんだよ」
「全く。何て奴だ」
「本当にうちのチームで馴染めるのか?」
監督の蟻田以外は唖然となっている。彼等はサンターナが本当にこのチームでやっていけるのかさらに不安になった。ところがだ。
彼はオープン戦から安定した活躍を見せた。何とだ。
チャンスに打ち強肩と俊足を活かしていい守備も見せる。それを見てだ。
ファン達がだ。まず話すのだった。
「あのメキシカンの助っ人な」
「ああ、いけるな」
「あれ凄いぞ」
「サンターナだったな」
まずはその名前があらためて確認される。
「いい戦力になるな」
「それにあの性格な」
「明るいよなあ」
「パフォーマンスもするしな」
「ああ、何かとな」
そのギターでのパフォーマンスだけではなかった。マラカスを持ってそれで踊ったり七回になるとだ。あの歌をスペイン語で歌ったりもした。
「歌も歌うしな」
「私を野球に連れてって
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