怪異の巣窟 中編
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ッション!!
―――着ぐるみ少女を起こさないまま、隠し通路をくぐれ!!
―――Mission Start!!
「……むにゃ…誰…?」
―――Mission Fail…
僅か三秒の出来事である…
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
『森のクマさん』ってさ、歌詞の通りにイメージするとぶっちゃけ恐怖でしかないよね。女の子が森で熊さんに遭遇して追いかけられたと思ったら、ハンカチ渡されて一緒に踊るんだぜ?
「ほえぇ…似合ってる、似合ってる〜♪」
(…コイツ、本当に暗部の家系なのか?)
―――俺の場合、場所は『校舎』で渡されたのは『着ぐるみ』だけど…。
あ、ありのままに起こったことを話すぜ!!こいつ…目覚めた瞬間に初対面の俺に向かって開口一番『お久しぶり〜』と来たもんだ。意味が分からず唖然としてたら、どこからかスペアの着ぐるみを取り出して差し出してきた。着ろという意味だったらしく、ノリと勢いに任せて着てみたぜ!!
言ってる俺自身、何を言ってるのか訳が分からないっていうか何してんだ俺はああああああああああああああああああ!?
「……ふわぁあぁぁ…じゃ、『明日斗』君…次もまた、夢の中で会おうねぇ〜……すぅ…」
「…ね、眠りなすった……」
大きな欠伸一つして、何かを呟きながら彼女は再び眠りについた。静かに、そして穏やかな寝息から察するに、寝たふりをしている訳でも無さそうである。最初から寝たていてくれたら一番嬉しかったのだが…
ていうか、『明日斗』って誰だよ。そして、目の前で再び夢の中に入ったアンタを俺はどうしろと言うのだろうか。
「こんな場所で、こんな格好させやがって……コスプレしたのなんて、旦那と姉御の悪ふざけ付き合わされた時以来だ…」
改めて今の俺の恰好って、シュールなことこの上無いな。この子が渡してきた着ぐるみみたいなパジャマ(パーカー?)、頭の部分はフードになってて覆面とゴーグルが丸見えだ…。
「遊園地ならまだしも、こんなとこじゃ変態って言われても否定できねぇ…」
「そうね、どこからどう見ても不審者にしか見えないわ」
「ッ!?」
突如背後から響いた誰かの声。後ろを振り向けば、目の前でコックリコックリしてる寝坊助と違い、明らかにただ者では無い雰囲気を醸し出す水色の髪の少女。
学園の制服を着用し、手には一つの扇子握が握られている。制服のリボンの色からして察するに2年生だ。だが、それ以上に視線を引き付けるのは、彼女が腕に装着している腕章に書かれた文字。
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