第18話
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てしまった。クリスやマルギッテ准尉も驚いた表情をしている。
私もおそらく同じ様な表情をしているだろう。
悠斗君は、櫛をポケットにかたずける。
クリスを隣に座らせてから、口を開いた。
「実は早朝に何時もの様にトレーニングをしていたら、九鬼帝様付きの執事クラウディオさんが俺に書状を持って来たんです。それで、来年の4月からは川神学園に通う事になったんです」
「そ、そんな!悠斗兄様は日本に帰ってしまうのですか!?」
「悠斗。貴方は日本に戻るのか。久しぶりに共に戦えたと言うのに・・・」
クリスは悠斗君の腕に抱き付いて、嫌だと駄々をこねる。マルギッテ准尉はなんだか、寂しそうなオーラを醸し出している。
「(そうか。悠斗君は日本に戻るのか。非情に残念だな。我が部隊の隊員達の能力が悠斗君との訓練で向上してきた秤なのだ。更に高みに行けると、確信していただけに居なくなるのは痛手だな。まて、クリスの通っているハイスクールはたしか、川神学園と姉妹校だった筈だ。これを機会にクリスをより、日本文化に触れさせる良い機会かもしれない)そうか。残念だ。悠斗君が部隊に加わってからは、悠斗君の高みを目指す事が事隊員達の目標になっていたからね。非情に残念だよ。それで、いつ頃日本に戻るのかな?」
「はい。今月中には日本に戻るつもりです。今回は、川神学園に通う為に引っ越しをしたりしないといけないので」
「住む場所の目当ては有るのかね?無ければ、私も探させるが?」
私が日本に駐在しているドイツ大使を動かす事など、大した事は無い。電話1本で済む話だ。
「いえ。ヨーロッパに駐在している父に電話をして、別荘の使用して良いか尋ねました。そしたら、使って良いと言われましたので、其処を使いますから大丈夫です」
「おや?悠斗の親御さんは、ヨーロッパに駐在しているのですか?」
「そうだよ。ルクセンブルク大公国の在日本大使館の大使をしてる」
まあ、年に1度会えば良い方だけどと悠斗君は言う。まあ、21歳の青年にもなれば両親に会わなくても、寂しいとは感じたりはしないのだろう。
「そうか。まあ、悠斗君が再び引退するのは非情に残念だが、悠斗君にかせられた試練が有るのだからな。私としては、試練を頑張って乗り越えてほしい」
「ありがとうございます。フランク中将。では・・」
「任せて起きたまえ。除隊申請は受理しよう。だが、最後に送り出す為のささやかなパーティー位はさせてくれたまえ」
「すいません。わざわざ気を使って頂いて。本来なら、そんな手間の掛かる事などしていただかなくても良いのですが」
悠斗君が恥ずかしそうに頭をかく。相変わらず謙虚な男だ。
(ウンウン。やはり、日本人は謙虚な人種なのだな。悠斗君を見ていて確信した。更に、悠斗
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