後見人と封
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る。それと同時に土の柱は杭と同じように塵と化していく。
そして消えた蓮華が桜華の前に姿を現す。
桜華は障壁を作り出し防御する事は、予想道理である。
―四式__穿牙―
多重障壁が張られると同時に、回転を加え貫通性を高めた鋭い刺突を放つ。刺突は障壁を易々と貫いていくが、刀身に罅が入っていく。
最後の一枚を貫いたところで刀身が砕けてすぐに刀を手放し、次へと繋げようとするが――
「時間切れだよ――地帝乱柱」
地面から土の柱が勢いよく現われ、それを避けるために蓮華は後ろへと距離を取った。
「……まだやれる」
もうちょっとで届きそうなのに終わると言うのは不完全燃焼だ。
「君はそうかもしれないけど、僕は違う。それにお客さんが来ているみたいだよ」
術で外を見ていた桜華は丁度いいと言い、結界を解く。
隔離された結界から出ると、見知った人と知らない少女がいた。
「……カズキさんと誰だ?」
「…………」
桜華は眉をひそめ、訝しげな眼で見ていた。そして機嫌が一気に急降下した。
「……まだ続けていた屑共がいたか…」
ボソッと小さい声で背筋が凍るような声音で桜華は呟いた。
「…何か言った?」
スルーするべきかかなり迷ったが言葉に込められていたのが気になりついつい聞いてしまった。
いや、何も言ってないよとはぐらかしながら桜華は聞いた。
「ところで、あの女性は誰だい?」
とても綺麗な美貌で、年は二十代に見える。
背は高く、腰にまで届く長い黒髪を後ろで結っている。体のパーツは細く、どこか儚げだ。ただし、知っている人が見れば詐欺だというが。
「あ〜、あの人は伊織カズキって言って親父とは親友で、俺の後見人。で、見た目は完全に女性だが、男だ」
「蓮華君の後見人ね〜。………ん、男?」
アレで?と信じられないという顔で蓮華に問う。
「初対面の人は皆間違えるんだ」
実際俺も間違えた。初見で見破った人は今のところ数人だそうだ。
◇ ◇ ◇ ◇
「改めまして蓮華の後見人の伊織カズキです。よろしく」
中性的というよりか女性的な顔立ちをし、四肢は細く、髪は長く艶やかだ。見た目は女性しか見えないのだが、それで男だと言う。一種の詐欺といえるだろう。
「うん、生まれる性別を間違えているよね」
「ええ。こんな人がいたとは、世の中には不思議な事が在りますね」
「よく言われますよ」
言われ慣れているカズキはさして気にする事は無かった。何せ初対面の人にはよく言われているだ。
「で、そっちの子は?」
先ほどからカズキさんに隠れている少女のほうを見る。
「ほら、隠れてないで行ってきなさい。
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