<2:if編>
フェイトの場合 CASE−1
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で身体を回転させてゲオルグと向き合う。
「私も・・・こうしたかった」
小さな声でそう言ったフェイトの顔は朱に染まっていた。
「フェイト・・・」
ゲオルグはフェイトの頬に手を添える。
「キス、してもいいかな?」
ゲオルグの囁くような問いかけに、フェイトはゆっくりと頷き目を閉じた。
ゲオルグは一度大きく深呼吸すると、フェイトの方に顔を寄せた・・・
カチっ!
そんな音が響きフェイトとゲオルグはそれぞれ口元を押さえていた。
涙目でお互いの方を見るフェイトとゲオルグ。
次第に両方の口元には笑みが浮かび、やがてそれは笑い声に変わった。
「大丈夫、フェイト?」
ひとしきり笑ったところでゲオルグがいたわるようにフェイトに尋ねる。
「うん、私は大丈夫だよ。 ゲオルグは?」
「僕も大丈夫。 ごめんね、失敗して」
「謝らないでよ」
「でも・・・」
なおもすまなそうな顔で話しかけたゲオルグの言葉はフェイトの唇で遮られた。
「んっ・・・」
今度はお互いの唇が触れ合い、フェイトが小さく声をあげる。
10秒あまりの口付けの後、ゆっくりと名残惜しそうに唇を離す。
そして2人は目を開けるとお互いの顔を見つめあった。
「顔真っ赤だよ、フェイト」
「ゲオルグこそ」
囁くような声で言い合うと、どちらともなくクスッと笑った。
そしてゲオルグはフェイトを抱き寄せ、フェイトはゲオルグの肩に顔を押し付けた。
「フェイト」
ゲオルグがフェイトの耳にささやきかける。
「なに?」
「座ろうか」
「そうだね」
一旦身を離して2人はフェイトのベッドに向かう。
短い距離ではあったがゲオルグの左手とフェイトの右手はしっかりと握られていた。
ベッドに並んで腰を下ろすとゲオルグはフェイトの腰に手をまわし、
フェイトはゲオルグの肩に自分の頭をもたせかけた。
「ねえ、フェイト」
「なにかな?」
「もういっかいキスしよう」
「いいよ」
フェイトがそう答えた瞬間、ゲオルグは腰に回していたのと反対の手を
フェイトの頬に添える。
フェイトの潤んだ瞳はゲオルグの方を真っ直ぐに見つめていた。
そしてその双眸がまぶたで覆われる。
ゲオルグはゆっくりと顔を寄せながら目を閉じた。
「んうっ・・・」
2人の唇が再び触れ合い、フェイトが声を漏らす。
ゲオルグはフェイトの頬にそえていた手を後頭部へとまわして、
フェイトの長い髪を指ですくようにした。
少ししてゲオルグの舌がフェイトの口内へと侵入し、フェイトの歯に触れる。
その瞬間、フェイトは一瞬身を固くするがすぐにゲオルグに身を任せ、
おずおずと自分からも舌を差し出す
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